これまでの展覧会
たくさんの歴史に纏わる展覧会を行ってきました。
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平山郁夫コレクション ブッダの生涯とガンダーラをめぐる人々
- 種類
- 特別展
- 開催
- 2003/10/25(土)ー12/7(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、朝日新聞社
日本画家の平山郁夫氏はシルクロードをモチーフとした作品を発表するとともに、創作の源泉として、また人類の文化遺産としてシルクロードの古美術を集めてきた。本展では、これらのコレクションの中から、ガンダーラの仏教美術を中心にシルクロードの文物を展示した。 ガンダーラとは、パキスタン北西部を指す古い地名で、東西交易の要衝として1世紀から3世紀頃まで栄えたクシャーン朝の都がおかれた。インドとイランの接点に位置し、シルクロードによってヘレニズム・ローマ世界とも繋がっていたガンダーラは、国際色豊かな文化を創り出した。またインド・マトゥーラとともに仏像を初めて制作したことで知られている。 このほか、地中海世界から南アジアにかけてのギリシャ系コイン、イラン系の衣服をまとう唐代の俑などを展示し、シルクロードを舞台にした多彩な文化交流を紹介した。また、シルクロードや仏教を題材にした平山氏の日本画、素描も特別展示した。
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古代兵庫への旅―奈良・平安の寺院と役所―
- 種類
- 特別展
- 開催
- 2002/10/12(土)ー12/1(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社、兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所
兵庫県は律令制の時代の国でいえば、摂津・丹波の一部、播磨、但馬、淡路の五か国で構成されている。 また、都と西国各地をつなぐ、山陽道・山陰道・南海道といった主要な官道が通り、様々な面で中央との結びつきの強い地域であることは文献の面から明らかにされていた。 さらに、近年の発掘調査の進展により、当時の社会の様子を具体的に示す資料が発見され、古代の交通路・役所・寺院に関する調査研究は飛躍的な高まりを見せている。 本展では、近年の発掘調査の成果によって明らかになってきた古代の交通路・役所・寺院のあり方を総合的に展示し、古代の兵庫県の様相を紹介した。
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兵庫史の散歩道-館蔵名品選-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 2002/4/20(土)ー6/9(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
当館は開設準備室以来、兵庫県域の歴史にかかわるものを中心に資料収集を積極的に進めてきた。館蔵資料は平成13年度末で208,130点を数え、重要文化財・県指定文化財等に指定されている資料も計7件含んでいる。 開館10年目の平成4年(1992)には、「ザ・コレクション―兵庫県立歴史博物館の十年―」を開催し、多くの館蔵名品を展示して好評を得た。この特別展では、これ以降の10年間に収集したものを中心に123件を出品し、当館の資料収集活動を広く紹介した。 出品資料は、時代は古墳時代の鏡から近代の生活資料までにわたり、分野は歴史・美術・考古・民俗・城郭の五つを網羅した。中世荘園の文書、江戸時代の大名の書状、兵庫県内の各地で編纂された地誌、かつての景観を示す絵画資料、行基・隠元・楠木正成・宮本武蔵など、兵庫史を彩った人物の肖像画、姫路城・尼崎城の城絵図、祭礼の活気溢れる情景を思い描かせる屏風や屋台、平安時代後期の阿弥陀如来像、人々の信仰を物語る仏画、江戸時代狩野派の絵画作品など、多彩な館蔵品を通して、それぞれが語る兵庫史の様々な側面を紹介した。
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キヨッソーネ東洋美術館所蔵 浮世絵展
- 種類
- 特別展
- 開催
- 2001/9/22(土)ー11/4(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、ジェノバ市、キヨッソーネ東洋美術館
イタリアのジェノバに生まれたエドアルド・キヨッソーネは、明治政府が招いた「お雇い外国人」として紙幣や切手などの印刷技術を指導し、「日本の印刷技術の父」と呼ばれるように多大な業績を残した。一方、キヨッソーネは、日本の美術にたいへん興味を持ち、多くの美術品を収集し、なかでも浮世絵は4,000点に及ぶ世界有数のコレクションとして知られている。 本展は、平成13年から翌年にかけて繰り広げられた「日本におけるイタリア2001年」を記念し、キヨッソーネ東洋美術館が所蔵するキヨッソーネの浮世絵コレクションから厳選した肉筆40点・版画110点を展示し、日本とイタリアの産業や文化の架け橋として偉大な足跡を残したキヨッソーネの業績や人物も紹介した。
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清流と瀬戸のはぐくむ文化財-神崎郡と飾磨郡-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 2001/7/28(土)ー8/26(日)
- 主催・共催
- 神戸新聞社、中播磨歴史文化フェスティバル実行委員会(家島町・夢前町・神崎町・市川町・福崎町・香寺町・大河内町・兵庫県立歴史博物館)、家島町教育委員会、夢前町教育委員会、神崎町教育委員会、市川町教育委員会、福崎町教育委員会、香寺町教育委員会、大河内町教育委員会
中播磨地域は兵庫県下においても、古代から現代に至るまで豊かな自然と文化に彩られた地域である。21世紀を迎えるにあたり、中播磨地域が連携し、新世紀の幕開けにふさわしい新しい地域の創出に向け、中播磨の飾磨郡2町・神崎郡5町の文化財を広く県民に紹介した。それと同時に、文化財を受け継いでいくことの重要性を改めて考える場を提供することができた。
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天下統一と城
- 種類
- 特別展
- 開催
- 2001/4/14(土)ー6/10(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、読売新聞大阪本社、読売テレビ
城は日本の各地に4万もあるといわれており、人々には大変馴染みの深い遺跡である。これらの城は、16~17世紀にかけて著しく発達したが、まさしく中世から近世へと、政治や社会の仕組みが大きく変わる激動の時代に構築された。遺跡が示す戦国の城から近世の城への変化の過程は、天下統一という歴史の実態を端的に物語るものといえよう。 本展では城を主題に、地域性・戦い・技術の伝播などの視点から、最新の研究・調査の成果をもとに、織田信長の安土城を経て、姫路城に代表される江戸時代の城が、どのように成立していったのかを紹介した。また、「安土城復元CG」や「超拡大!江戸図屏風」など、国立歴史民俗博物館が研究開発したユニークな情報提供ソフトにより、観覧者に城に対する関心を高めることができ、新趣向の展示の試みとして好評であった。
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豪商 高田屋嘉兵衛
- 種類
- 特別展
- 開催
- 2000/9/15(金・祝)ー11/5(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社、五色町
高田屋嘉兵衛(1769~1827)は淡路都志本村(津名郡五色町)出身。兵庫津(神戸市)に出て船乗りになり、蝦夷地(北海道)と上方を結ぶ交易を始めた。航路を開設してエトロフ島の開発を行い、また幕府の御用船頭となって取扱う商品の品質管理を厳密に行ったため、またたく間に豪商となった。 嘉兵衛はロシアとの外交問題であったゴローニン事件でカムチャッカに拘留されたが、この事件を平和的に解決して日露両国から絶賛され、晩年は故郷の淡路に戻って郷土の発展に尽している。 本展では、高田屋嘉兵衛の生涯とゴローニン事件における活躍、北前船による交易を紹介するとともに、北方探検やアイヌの人々の民俗などについてもスポットを当てた。
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元禄繚乱展-華ひらく文化と忠臣蔵-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1999/9/23(木・祝)ー11/7(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、NHK神戸放送局、NHKきんきメディアプラン
関ヶ原の戦いから百年が過ぎ、人々は天下泰平を謳歌。五代将軍綱吉の治世は豪奢な元禄文化によって代表される。しかし一方では、幕府の財政は逼迫、政治は大きな岐路に立たされていた。赤穂藩主浅野内匠頭長矩による吉良上野介義央への刃傷、赤穂藩士による吉良邸の襲撃は光と陰が交錯する変革期に起きた事件であった。 NHK大河ドラマ「元禄繚乱」にちなんで開催された同展では「元禄文化」と「赤穂事件と忠臣蔵」の二部から構成し、元禄文化を象徴する華やかな婚礼調度や屏風、赤穂事件と忠臣蔵の資料により、この時代の本質と現在につながる日本社会の原点を探った。
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狩野永納-その多彩なる画業-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1999/7/17(土)ー8/29(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
元禄六年(1693)に刊行された『本朝画史』は「最初の本格的な日本絵画史の著述」といわれている。この書物はその時代までに活躍した約四百名の画家伝なのだが、刊行されたこともあり、江戸時代、またそれ以降の時代でも多くの人に読まれた。つまり、我々の日本絵画に関する情報は、この『本朝画史』に負っている部分が極めて多いのである。 この『本朝画史』を著したのは狩野永納(1631~97)という画家だった。永納は、京都狩野派の画家・狩野山楽を祖父に、狩野山雪を父にもち、自らも家業である絵画制作に精力的に取り組んでいた。しかし、『本朝画史』の著者としての名声があまりに大きかったため、永納の画業はあまり注目されてこなかった。 この展覧会では、狩野永納の画家という面に注目した。これにより、この画家の知られていなかった一面を明らかにし、かつ『本朝画史』を深く読み込むための多くの資料を提供した。 展覧会は、以上のような意図を込め開催された。
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よみがえる正倉院宝物-再現された天平の技-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1999/4/24(土)ー6/6(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、朝日新聞社、宮内庁
今から1200年ほど前の奈良時代に創建された正倉院に、聖武天皇・光明皇后の遺愛品や、東大寺大仏開眼会で使用された品々が伝来している。正倉院はシルコロードの終着点といわれるように、その宝物は国際性に富み、華やかなりし天平文化を今に伝える大変貴重なものである。これらは金銀、象牙、紫檀など いろいろな材料を用いて、螺鈿、平脱、撥鏤といったさまざまな技法で造りあげられた。その後、残念ながら絶えてしまった技法もあるが、その技術水準の高さには目を見張るものがある。 今回の特別展は、正倉院宝物の復元品を紹介するものである。正倉院宝物の復元は、江戸時代の記録にも見られるが、明治に入ってから本格化した。これまでに制作された復元品は数百点にのぼり、戦前においては帝室技芸員、戦後は人間国宝といった一流の工芸作家によって制作されたもので、その芸術性、学術性は高く評価されている。 本展は、それらの復元品やその製作過程を示す貴重な資料を展示し、失われた古代の工芸技術を現代によみがえらせた。
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三万年の旅-ナウマン象から汽車土瓶まで
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1998/10/3(土)ー11/23(月・祝)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、朝日新聞社、兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所
兵庫県は摂津・播磨・但馬・丹波・淡路の旧五ケ国からなり、古代から都とこれらの国々を結ぶ山陽道・山陰道・南海道などの陸や海の道が通る交通の要所であった。このような地理的環境は、「人」や「物」の往来を促し、兵庫県を取り巻く様々な地域と活発な交流が展開され、三万年にもおよぶ兵庫県の歴史を作り上げてきた。 本展は、全国の支援を得て行った震災復興に伴う調査や、最近十年間に兵庫県教育委員会が行った発掘調査のなかから人や物の交流を示す具体的な資料を紹介した。また、阪神・淡路大震災以後、地震予知研究の重要な資料として再認識された噴砂や断層などの過去の地震の痕跡を示す資料も併せて展示した。
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文化の伝承-江戸から現代へ 華麗なる能装束の美
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1998/7/18(土)ー9/6(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、朝日新聞社
鎌倉から室町時代にかけて、古い芸能の猿楽から歌と舞いによる劇形式の能が生まれた。武家や貴族に愛好された能は、江戸時代には幕府や大名の庇護を受け、いっそう精緻・華麗なものに発展した。その装束も、はじめは質素であったが、安土・桃山時代以降、経済的な繁栄や染色技術の進歩の結果、上質の生糸や金銀箔をぜいたくに使った絢爛豪華な舞台衣装として制作されるようになった。 しかし、現在、伝わっている当時の装束は、実際の演能に耐えないほど傷んでいるものが多く、また、製作を支えていたさまざまな技術は、近代化とともに消失の危機にさらされ、その保存と伝承が大きな課題となっているのが現状である。 山口能装束研究所では、桑の栽培から養蚕・製糸・染色・織りまで総合的に研究し、江戸時代の能装束の復原と技術の伝承に努めてきた。 本展では、その成果である復原能装束約五十領と、大名家に伝えられた江戸時代の能装束約三十領を展示するとともに、それを取り巻くさまざまな要素を幅広く紹介し、あわせて、消滅しつつある養蚕の技術や道具、繭・生糸などを展示し、伝統文化の現状と将来を考えた。
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城郭を描く-現実と幻想の構図-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1998/4/18(土)ー6/8(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
人間は観念の中にリアリティーを形成する。たとえ、それが現実とは言い難い幻想であった場合でも、時として肯定的に受け入れたい願望をもつ。現実が幻想のイメージを誘い、また幻想の画姿が新しい現実を生み出していくのである。 古今東西、様々な人々が城郭を描いてきた。大人・子供・軍学者・絵師など、それぞれの立場から幾つもの表現手法が試され、個々の抱いている心意のメッセージが城郭の形へと託されることになった。 この特別展では、Ⅰ風景の表現(演出する形)、Ⅱ技術の表現(機能する形)、Ⅲ意思の表現(発信する形)の三つのテーマに分け、主に江戸時代から近現代に至るまでの「描かれた城郭」を幅広く紹介した。 テーマⅠでは、名所図や浮世絵などに欠かせない点景としての城郭を、テーマⅡでは、権謀術数を凝らした軍事観念に装飾された城郭のスタイルを、テーマⅢでは、近現代の時代に移っても存在感を失わない城郭の底知れぬ生命力について、新機軸の解読を加えながら、従来の枠組にとらわれない自由な発想で城郭の図像に親しんでいただく場とした。
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京の雅 和歌のこころ 冷泉家の至宝展
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1997/10/25(土)ー11/24(月・祝)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、(財)冷泉家時雨亭文庫、NHK神戸放送局
冷泉家は、平安時代後期から鎌倉時代の歌人、藤原俊成・定家・為家三代の名声を伝える「歌の家」として著名である。為家の子為相を初代とし、和歌の宗匠家として歴代の当主が、公家や武家に尊重されてきた。冷泉家には膨大な数の典籍・古文書をはじめ、御影と呼ばれる歴代の肖像画、宮廷文化と公家の生活の様子を示す什器・調度類が伝えられている。 また兵庫県には冷泉家の荘園、細川荘(三木市)と越部荘(新宮町)があり、古くより冷泉家とのつながりがあった。 本展は、同家に伝わる数々の資料を、「年中行事と生活」「俊成、定家と典籍の世界」「冷泉家歴代」「宮中と公家」の4テーマに分けて展示し、和歌の宗匠家であり、また宮廷に仕える公家である冷泉家の多彩な姿を紹介した。
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世の中変われば ええじゃないか-幕末の民衆-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1997/8/2(土)ー9/23(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
江戸時代末期は、明治という新しい時代への胎動期であった。19世紀も天保期(1830~)以降、天候不順による米の不作から百姓一揆が起き、さらに開国によって社会・経済は大きく変動した。社会混乱の度が増し、迫り来る時代への期待と不安の中で、民衆は空から御札が降るという奇跡を見聞した。それをきっかけに民衆は熱狂的な伊勢神宮への群集参拝である「おかげ参り」や「おかげ踊り」に興じた。そして幕府倒壊前後には民衆が世直しを願って「ええじゃないか」の踊りに酔いしれたのであった。 本展では、幕末の民衆に焦点をあて、時代の大きな変化の中で、民衆が何を思い、どのように行動したかを「おかげ参り」や「ええじゃないか」を通して検証することとした。県内に残る関係資料をほぼ網羅し、新しい時代への民衆の鼓動を探った。
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海のみち 陸のみち-航海図と街道図-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1997/4/26(土)ー6/8(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
全国の交通路が整備され、旅行や物資輸送がさかんに行われた江戸時代、街道や航路を描いた絵図が数多く作成された。それらは、距離や方角などの情報提供を主な目的とするものから、沿線の名所案内にいたるまで内容も多彩であり、屏風、巻物、携帯用の小型本など 形態も多様である。江戸時代の人びとは、これらの地図から旅行や地理に関する情報を得るだけでなく、居ながらにして旅の気分も味わったに違いない。 この展覧会では、江戸時代のさまざまな街道図と航路図を通して人々と交通路の関わりを探るとともに、絵画性豊かな絵図にふれ 想像上の旅を楽しんでいただく機会とした。