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コラム旅行用心集/道中編
川を渡るのは注意して
知らない川は決して歩いて渡ってはいけない。また、橋が流れて歩いたり船で渡ったりしなければならない時は、宿場の役人に相談するのがよい。
船を使うと早いかもしれないけど、考えものだ
速いからといって船を使うのは考え物だ。大事な用事や急ぐ時は陸地を通るべきである。急がぬ旅なら船に乗り足を休めるのも良い。風にあってうまくいくこともある。しかし異変があったときに「後悔先に立たず」となることは心得ておくべきだ。
現代のコメント
昔の人は乗り物を信じていないようである。特に海での事故は、死を覚悟せねばならないのだろう。
旅の連れの人数って大切なんだ!
旅の連れはせいぜい五、六人までがよい。人はそれぞれ考えることが違うから、大人数ではうまくいかない者が必ず出てくる。
現代のコメント
現代ではもっと少人数かも。旅の日数がもっと多い。江戸時代の人は我慢強いね。
神社やお寺でしちゃいけない事はね!
神社や寺、橋や立ち木、大きな石などへ落書きをしたり、御札を貼ってはいけない。
現代のコメント
お札を貼るのは、昔から行われていたようである。やっぱり迷惑がられていたんだ!
熊や狼も顔を出すから!
道連れがあるときは話し声がするので、熊や狼などは身を隠す。一人旅は声がしないため、出会い頭に驚いてかみつくことがある。昼間にはこんなことがなく、すべて夜道で起こる。山中や人里遠い野原では竹杖で道をたたいて音を立てて歩くこと。石突のついた杖でもよい。夜道では火縄や松明などを持って歩けば、けものに会わない。
現代のコメント
今でも、山に行くときは鈴を付けたり、ラジオを鳴らしたりしながら歩けと言われるね。!
けものやヘビを遠ざける方法は
牛の糞を草鞋の裏へぬって歩けば、けものや蛇、まむし、毒虫などは、恐れて近づかないそうだ。
現代のコメント
いったい、誰が最初に気が付いたのだろうか?!
女性にあっても、声をかけてはいけないよ!
道で女性などとすれちがったとき、軽く挨拶くらいは良いが、それ以上の余計な話をしたり、または相手の方言を笑ったりしてはいけない。トラブルは、些細なことから起こるものである。
現代のコメント
全くそのとおりである。
旅行用心集
八隅蘆庵が著した旅の心得。旅の携行品、温泉でのふるまい、船酔いへの対処など、旅の道中で注意すべき事柄を記す。文化7年(1810)に刊行され、庶民に広く読まれた。
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現代のコメント
川の深みは岸からでは分からないものだ。今でも川で溺れる人は多い。