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武家物
神農絵巻しんのうえまき

神農絵巻

神農絵巻
(しんのうえまき)
江戸時代 一巻 紙本着彩 巻子装
縦25.9㎝×横985.5㎝ 全24紙継 詞書9段 絵9段
印記「三輪董印(朱文方印)」(巻末)

 農業と薬の神である神農が、放屁で妖怪を退治するという、想像力豊かな楽しい物語が描かれています。内容構成としては、「酒呑童子」や「桃太郎」の影響が見受けられることから、江戸時代以降に成立したものと考えられます。神農は、古代中国の伝説上の神から親しまれる対象へと、イメージの転換が図られていたようです。

 農業と薬の神である神農が放屁(おなら)で妖怪退治をする物語展開と、素朴ながらも闊達な絵画が魅力の絵巻物です。

 内容は次の9段から構成されています。 (1)妖怪退治を人民たちから依頼される神農どの
(2)神農どのは猿丸太夫・鳥海弥三郎・犬坊丸をひきつれ芋・栗・柿をもって出発する
(3)海上の舟に乗る神農どのたち
(4)十二万三千四五六里七八町九間ほどすすんで妖怪が島へ到る
(5)妖怪の城門へと到る神農どのたち
(6)神農どのをもてなす妖怪の大王による酒宴
(7)大王が閨にはいると芋や栗を食べて備える神農どのたち
(8)閨の門扉を放屁で破壊する神農どの
(9)放屁で妖怪を倒す神農どのたちと宝物をさしだす大王
 詞書には昔話「かちかち山」や「猿蟹合戦」への言及があり、物語構成には御伽草子「酒呑童子」や昔話「桃太郎」の影響下にあることから、本作品の成立自体も江戸時代以降と考えられます。とくに第3段の海上の舟に乗る神農どのたちや、第8段の門扉を破壊する神農どの、第9段の宝物をさしだす大王の場面では、「桃太郎絵巻」(館蔵)などの先行する「桃太郎絵巻」との類似が認められ、パロディとしての制作がほのめかされます。

 本作品以外の諸本はまだ数作例しか知られていない稀少な一巻です。

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