これまでの展覧会
たくさんの歴史に纏わる展覧会を行ってきました。
-
江戸時代の屏風絵
- 種類
- 企画展
- 開催
- 1998/6/13(土)ー7/12(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
当館では昭和63年と平成3年に企画展「近世の屏風絵」を開催しました。これは当館所蔵作品あるいは寄託作品の中から優品を選び展示したものですが、この企画展では先の2度の企画展で紹介できなかった作品を中心に展示しました。 屏風絵はその画面の大きさのためか、画家の個性がよく発揮され、画家の代表作は屏風絵として伝えられています。この企画展では狩野永納筆「源氏物語図屏風」、曽我蕭白筆「山水人物花鳥図押絵貼屏風」などを紹介しました。
-
城郭を描く-現実と幻想の構図-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1998/4/18(土)ー6/8(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
人間は観念の中にリアリティーを形成する。たとえ、それが現実とは言い難い幻想であった場合でも、時として肯定的に受け入れたい願望をもつ。現実が幻想のイメージを誘い、また幻想の画姿が新しい現実を生み出していくのである。 古今東西、様々な人々が城郭を描いてきた。大人・子供・軍学者・絵師など、それぞれの立場から幾つもの表現手法が試され、個々の抱いている心意のメッセージが城郭の形へと託されることになった。 この特別展では、Ⅰ風景の表現(演出する形)、Ⅱ技術の表現(機能する形)、Ⅲ意思の表現(発信する形)の三つのテーマに分け、主に江戸時代から近現代に至るまでの「描かれた城郭」を幅広く紹介した。 テーマⅠでは、名所図や浮世絵などに欠かせない点景としての城郭を、テーマⅡでは、権謀術数を凝らした軍事観念に装飾された城郭のスタイルを、テーマⅢでは、近現代の時代に移っても存在感を失わない城郭の底知れぬ生命力について、新機軸の解読を加えながら、従来の枠組にとらわれない自由な発想で城郭の図像に親しんでいただく場とした。
-
館蔵品展-絵巻-
- 種類
- 企画展
- 開催
- 1998/2/21(土)ー3/29(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
当館では準備室当時より積極的に資料の収集につとめており、随時その成果を県民に公開してきた。本展もその主旨に添って開催したものであり、当館が所蔵する資料の中から、絵巻の優品をとりあげ、展示した。 当館が所蔵する絵巻は、最も古いものでも室町時代後期の制作であり、ほとんどが江戸時代のものである。これらの資料については、これまでに、常設展や特別展などで公開してきた。しかし、スペースなどの関係上、まとめて展示したことはなく、当館でははじめての、絵巻のみの展覧会であった。 今回は、室町時代のものを1点、江戸時代以降のものを15点選び展示した。
-
重要文化財指定記念-館蔵 仏涅槃図
- 種類
- 特別陳列
- 開催
- 1998/2/21(土)ー3/29(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
昭和61年度購入により館蔵資料となった「仏涅槃図」が、平成9年度の重要文化財指定を受けた。これを記念して特別陳列を行った。 本図は、絹本著色、1幅、171.3×161.3センチ、鎌倉時代前半(13世紀)の制作である。各部表現形式において平安時代の涅槃図(第一形式)を規範としながら、鎌倉時代前半にあらわれる第二形式への過渡的な傾向をよくあらわしている。 会衆のなかに両手を重ねて胸にあてる和装の女性像、虚空に鶴に乗る童子などがみられ、類品と比較して珍しい図像を含む点で特徴的な作例である。
-
寺院の絵画-姫路市・大覚寺-
- 種類
- 企画展
- 開催
- 1998/1/10(土)ー2/8(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
姫路市網干区興浜にある大覚寺は、浄土宗・西山禅林寺派に属する寺院である。大覚寺には阿弥陀如来、釈迦如来をはじめ、さまざまな ほとけへの信仰を背景につくられた仏教絵画のほか、洒脱な道釈人物画を中心とする近世絵画が伝来している。これら所蔵の絵画は、開山の遠忌法要や虫干しの時を除いて、一般に公開される機会がほとんどないものである。 本展では、重要文化財「釈迦三尊像」、堂「十六羅漢像」など、大覚寺所蔵の絵画から優品三十二点を選んで一挙に公開した。地域の仏教信仰の歴史を感じながら、さまざまな画題の豊かな色彩と表現をゆったり鑑賞する機会を提供した。
-
京の雅 和歌のこころ 冷泉家の至宝展
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1997/10/25(土)ー11/24(月・祝)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、(財)冷泉家時雨亭文庫、NHK神戸放送局
冷泉家は、平安時代後期から鎌倉時代の歌人、藤原俊成・定家・為家三代の名声を伝える「歌の家」として著名である。為家の子為相を初代とし、和歌の宗匠家として歴代の当主が、公家や武家に尊重されてきた。冷泉家には膨大な数の典籍・古文書をはじめ、御影と呼ばれる歴代の肖像画、宮廷文化と公家の生活の様子を示す什器・調度類が伝えられている。 また兵庫県には冷泉家の荘園、細川荘(三木市)と越部荘(新宮町)があり、古くより冷泉家とのつながりがあった。 本展は、同家に伝わる数々の資料を、「年中行事と生活」「俊成、定家と典籍の世界」「冷泉家歴代」「宮中と公家」の4テーマに分けて展示し、和歌の宗匠家であり、また宮廷に仕える公家である冷泉家の多彩な姿を紹介した。
-
世の中変われば ええじゃないか-幕末の民衆-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1997/8/2(土)ー9/23(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
江戸時代末期は、明治という新しい時代への胎動期であった。19世紀も天保期(1830~)以降、天候不順による米の不作から百姓一揆が起き、さらに開国によって社会・経済は大きく変動した。社会混乱の度が増し、迫り来る時代への期待と不安の中で、民衆は空から御札が降るという奇跡を見聞した。それをきっかけに民衆は熱狂的な伊勢神宮への群集参拝である「おかげ参り」や「おかげ踊り」に興じた。そして幕府倒壊前後には民衆が世直しを願って「ええじゃないか」の踊りに酔いしれたのであった。 本展では、幕末の民衆に焦点をあて、時代の大きな変化の中で、民衆が何を思い、どのように行動したかを「おかげ参り」や「ええじゃないか」を通して検証することとした。県内に残る関係資料をほぼ網羅し、新しい時代への民衆の鼓動を探った。
-
過去との対話-20世紀の面影-
- 種類
- 企画展
- 開催
- 1997/6/15(日)ー7/21(月)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
時代は昭和から平成に代わり、まもなく20世紀が終わりに近付こうとしている。刻一刻と時が移行していく中、慌ただしさと共に、かつてのリアルタイムが記憶から忘れ去られていく。現在に違和感を覚えた時、人は失われた過去の存在に気が付き、自身の意識に歴史の非情で確かな流れを悟るのであろう。 本展では、寄贈を受けた身近な生活資料や古写真から、以前、私たちの見知っていた20世紀の面影を振り返る機会を提供することに主眼を置いた。忘れかけた旧知の対象と接することで、過去と対話する自身の姿をも相対視していただき、個々の資料や自分史を介した「歴史の語部」としての立場を実感できるよう配慮した。 とりわけ、昭和30年に撮られた姫路の大手前通のパノラマ写真は好評であり、観覧される年配の方々の談笑する風景がしばしば会場で見受けられた。歴史は決して遠い存在ではなく、思いのほか身近な所に隠れているのではなかろうか。
-
海のみち 陸のみち-航海図と街道図-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1997/4/26(土)ー6/8(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
全国の交通路が整備され、旅行や物資輸送がさかんに行われた江戸時代、街道や航路を描いた絵図が数多く作成された。それらは、距離や方角などの情報提供を主な目的とするものから、沿線の名所案内にいたるまで内容も多彩であり、屏風、巻物、携帯用の小型本など 形態も多様である。江戸時代の人びとは、これらの地図から旅行や地理に関する情報を得るだけでなく、居ながらにして旅の気分も味わったに違いない。 この展覧会では、江戸時代のさまざまな街道図と航路図を通して人々と交通路の関わりを探るとともに、絵画性豊かな絵図にふれ 想像上の旅を楽しんでいただく機会とした。
-
仏像の美
- 種類
- 企画展
- 開催
- 1996/12/14(土)ー1997/3/23(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
当館では開館以前の博物館設立準備室の時より、仏像関係の資料収集に力をいれており、その一つの方針として、県下各地の代表的な仏像の精密な複製製作を行い、開館後は仏像資料の購入や寄託を進めている。 それらの資料についてはこれまでに、常設展や企画展などで随時展示を行なってきたが、まとまって展示する機会はなかった。 本展は、当館が所蔵する複製を含む仏像関係資料と、当館に寄託されている仏像・狛犬など20件を一堂に展示し、古代から中世にいたる仏像の様式の変化を紹介。なお初めての試みとして、本展では実物と複製を同等の資料として取り扱った。
-
姫路城内堀より発見された極楽寺瓦経
- 種類
- 特別陳列
- 開催
- 1996/12/14(土)ー1997/3/23(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
極楽寺瓦経は康治元年(1142)頃、京都東寺の僧禅恵が、神崎郡香寺町にあった極楽寺(現常福寺)に来て、姫路市の書写山円教寺・増位山随願寺、香寺町の八徳山八葉寺、極楽寺の西南にあった弥高山千軒寺の僧とともに造ったもので、天養元年(1144)に埋納された。 完成12年(1800)に約500枚の瓦経や土製の仏像、五輪塔などが発見され、姫路藩主酒井忠道は瓦経を姫路城に運ばせ、破損していたものを漆で接合し拓本を採らせた。その後、藩校好古堂に保管されていたが、明治維新時に所在不明となった。 極楽寺瓦経は10枚に及ぶ願文があり、経塚に関する根本的な資料として著名であるが、わずかな伝世資料と拓本のみで知られる幻の瓦経であった。ところが平成8年の春、姫路城内堀の浚渫工事にともなって、その一部が再発見されたのである。 当館では、この資料の全容をいち早く紹介するために特別陳列を企画し、姫路市教育委員会及び姫路市立城郭研究室の全面的な協力のもとに、再発見された全資料53点を展示した。
-
大王の世紀-兵庫の古墳と遺跡-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1996/10/5(土)ー11/24(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
全国各地で盛土をもった「古墳」が築かれた3世紀後半から7世紀にかけての400年間を古墳時代と呼ぶ。古墳時代は大和政権を中心に、全国を統一する政治体制が整備され、日本の古代国家の基礎が築かれた時代である。この政治秩序の現れが古墳であり、古墳形態や規模の変化は、古墳に埋葬された人々の身分の違いを示している。 兵庫県は、全国一の古墳所在県であるといわれている。これらの古墳は、時期による違いや地域による違い、また埋葬された人びとによる違いなど、多種多様な様相をもつ。 この特別展では、古墳が築造された「大王の世紀」にスポットをあて、近年の大規模発掘や学術調査で得られた資料のほかに、古くに出土し、県外に保管されている主要な遺物も一堂に集め展示した。 古墳に埋葬された副葬品は多種多様であり、そこからは、古墳に埋葬された人びとの姿を読みとることができる。 またあわせて古墳時代の集落遺跡の遺物も展示することにより、古墳時代の生活や道具の変化、生産の姿や技術の進歩、まつりの様子をさぐる。 このような実際の出土品とともに、発掘調査の写真パネルを展示し、人びとの生活の痕跡や兵庫県の古墳の特徴を提示した。
-
ひょうご 仏教絵画巡礼-県指定文化財と優品をたずねて-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1996/7/13(土)ー9/1(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
兵庫県の風土は、地理的にも多彩な性格を帯び、各地の社寺にはそれぞれ特色ある内容をもつ仏教絵画が多く残されている。これらは現在も各種法会の本尊とされたり、また保存状態が危ぶまれるものが多く、一般に公開される機会がほとんどない。 今回の特別展では、こうした仏教絵画のなかから、県指定文化財、各市・町指定文化財となっているものを中心に、県内の美術館・博物館が所蔵する優品をまじえ62件を紹介した。 さまざまな仏・菩薩の絵画的な造形の鑑賞を通じて、文化財としての仏教絵画への親しみを深めてもらうとともに、宗派や時代、地域により多様な展開を示した中世の仏教信仰を顧みる機会とした。
-
もののふの装い-甲冑と武具-
- 種類
- 企画展
- 開催
- 1996/6/15(土)ー9/16(月・休)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館
当館では、開館当初から甲冑資料を積極的に収集するとともに、寄託を受けるなどしてきた。これらは、兵庫県ゆかりの大名をはじめ諸大名家に伝来した、いわゆる大名道具がほとんどである。 この企画展では、当館所蔵・寄託の甲冑を中心に、武器・武具類を展示し、近世大名の生活文化の一端を紹介。 あわせて、「はばたけ姫路 秀吉天下一まつり」(姫路市ほか主催)に協賛して豊臣秀吉コーナーを特設し、秀吉の画像などを展示した。
-
大唐王朝の華-都・長安の女性たち-
- 種類
- 特別展
- 開催
- 1996/3/23(土)ー5/26(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、朝日新聞社、陝西省文物事業管理局、陝西省博物館、陝西省考古研究所
兵庫県教育委員会と陝西省文物事業管理局は、平成5年に5年間に及ぶ学術交流の覚書を交換した。本展はその学術交流の一環として、また阪神・淡路大震災からの文化の復興の特別展と位置づけ、陝西省文物事業管理局・陝西歴史博物館、陝西省考古研究所の協力のもとに開催した。 中国古代の大唐王朝の都―長安(現在の西安)は、政治・経済・文化の中心として栄えた人口100万人を超える世界最大の都市であり、遠くローマやペルシャとの交易路であるシルクロードの発着点でもあった。本展は国際色豊かな大唐王朝の文化の中で、とりわけ華麗な彩りをみせる女性にスポットをあて、装身具・服飾・化粧などファッションや、彼女たちの華やかな生活を紹介した。 これまでに数多くの中国関係の展覧会が行われてきたが、唐時代の女性をテーマとしたものは本展が初めてであり、また学術交流の成果として内容の充実した展観となったと考えている。総出展数は230点、その中に一級文物等40点を含み、日本初公開は約100点を数えた。
-