はじめに

 兵庫県立歴史博物館では9月23日(土)から開館40周年記念企画展「ひょうご五国のやきもの」を開催します。兵庫県内の各地のやきものを、おもに当館のコレクションにより紹介し、当館の館蔵品の他にも魅力あふれる陶芸作品や関連資料を展示します。展覧会についてくわしくは当館のホームページをご覧ください。

 今回のコラムでは、展示をさらにわかりやすく、楽しいものにするために新しく工夫したことについてお知らせします。

写真1:展覧会のオリジナルキャラクター

1 展示をわかりやすく

 2016年の冬に「出石焼-但馬のくらしとやきもの-」を開催してから、およそ7年ぶりのやきものの展覧会となります。やきものなどの解説は出来るだけわかりやすい表現を心がけたつもりです。どうしても専門的な言葉を使う場合にはフリガナをふり、その説明をするようにしました。

 また、展示されたやきものについての情報も、「ここを見てほしい」内容に絞りました。多くを語ってはいませんが、見どころをハッキリさせたつもりです。

2 キャラクターの登場

 ご来館いただいた方が展示を身近に感じられるよう、オリジナルキャラクターを登場させました。ユニット名は“ポタリーズ(Potteries)”。やきものをあらわす英語“pottery”から命名した3人組のユニットで、デザインが得意な当館のスタッフに作成を依頼しました。“ひょうご5国のやきもの”のキャラクターだったら5人組のユニットにするべきところですが、担当者の私がそこまで気が回らなかったというのが本音です。それぞれのキャラクターに名前はついていませんが、丹波焼、王地山焼(いずれも三田市)の壺(つぼ)と、珉平焼(みんぺいやき:南あわじ市)のお多福(おたふく)形の香合(こうごう)をモデルにしました。会場の色々なところに登場し、みなさまのご案内をすることになっています。

写真2:クイズコーナーの表示

3 クイズコーナー

 展覧会会場では、ポタリーズの3人組が6問のクイズを出します。どれも簡単な問題ばかりですが、よく気を付けて鑑賞しないと見逃してしまうような問題ばかりです。クイズに答える事よりも、クイズを通して展示資料を良くご覧いただくきっかけづくりを目的として企画しました。難問はないと思います。ぜひチャレンジしながら展覧会をお楽しみください。

写真3:やきものタッチコーナーの表示

4 やきものタッチコーナー

 会場に、やきものにさわれるコーナー「やきものタッチコーナー」を設ける予定です(変更が生じる可能性があります)。ここで触れるものは芸術的な作品ではなく、窯跡(かまあと)で採集した陶片になります。これらは、いくつかのやきものが窯の中で焼かれるうちに、火の勢いが強すぎたためか、重なり合うもの同士がくっついてしまい、失敗作として捨てられてしまったものです。実際に手で触れてみて、1000℃を超える窯の中の様子や火の勢いなどを感じていただければと思います。

5 おわりに

 このように、本展ではささやかながら、展示を少しでもわかりやすくするように工夫してみました。このような取り組みを今後より良いものにしていくため、是非みなさまのご意見や感想をいただきたいと思います。会場にあるアンケートを通じて率直なご意見をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。