概要
ひょうご歴史研究室は、藪田貫室長のもと、共同研究にあたる館内外の研究者30名以上を、「客員研究員」「共同研究員」などに任命し、室内には非常勤の研究コーディネーターと事務職員1名を配置していました。これまで、①『播磨国風土記』、②赤松氏と山城、③たたら製鉄、④大阪湾岸と淡路の地域史研究という4つのテーマ研究を進め、令和2年度からは、「鳴門の渦潮」調査研究プロジェクトにも着手しました。
その研究成果については、『ひょうご歴史研究室紀要』へ論文を掲載するほか、シンポジウムの開催などを通じて発信に取り組んできました。また、兵庫県立歴史博物館の展示や教育・普及事業とも連携しながら、日ごろの調査活動の成果を活用にも努めました。 これまでの活動の成果をまとめます(以下、敬称略)。
刊行物
展示会
- 『播磨国風土記』編纂1300年記念特別陳列2015年10月9日~12月6日/本館歴史工房
- 『播磨国風土記』(複製品)全巻特別陳列 2016年9月10日~9月25日/県立考古博物館特別陳列室
- 淡路島日本遺産委員会と県立考古博物館の主催行事淡路島日本遺産展「古代淡路島の海人と交流 -青銅・鉄・朱・塩-」の後援2019年11月9日~2020年3月1日/洲本市立淡路文化史料館
- 「播磨のたたら製鉄史料」展紀要別冊「近世播磨のたたら製鉄史料集」刊行記念関連2020年8月1日~10月6日/本館歴史工房
- たつの市埋蔵文化財センター特別展「城山城 -古代山城と赤松の城-」の開催協力2021年1月30日~3月8日
- 『播磨国風土記』を書にする展(県立姫路東高校書道部との連携企画) 2023年4月29日~5月28日/本館2階城見ラウンジ魚住和晃・神戸大学名誉教授が監修
- 特別展「ひょうご鉄ものがたり」の開催協力2024年10月5日~11月24日/当館展示室
講演会・シンポジウム・学術集会
博学連携
- 教員セミナーの開催協力/講演「『播磨国風土記』の魅力」(藪田・坂江) 2017年8月8日/本館講堂/30名
- 姫路女学院高校との連携「リベラルアーツ」企画(毎日新聞安部拓輝記者の紹介)
2022年10月4日/ひょうご地域史や『播磨国風土記』の魅力などを講演/24名参加 - 県立姫路東高校書道部との連携企画『播磨国風土記』を書にする展の開催
2023年4月29日~5月28日/本館2階城見ラウンジ/書道部生徒が10名参加
文化財指定
- 佐用町利神城:2017年国指定に協力
- 南あわじ市法蔵寺蔵「天正9年羽柴秀吉禁制」
・2023年2月、有形文化財として指定
・研究室による資料調査、および前田徹「南あわじ市法蔵寺蔵天正九年羽柴秀吉禁制」論文(紀要7号、2022年3月)が貢献 - 南あわじ市沼島地区公民館蔵「寛永年間徳島藩沼島制札」
『研究室紀要』10号で「史料紹介」→指定文化財の可能性(『紀要』10号の竹内信論文が学術性を解明)
ホームページ
- 研究室紀要全10号のPDF公開
- 「鳴門の渦潮」調査研究プロジェクトの成果物の公開
- 研究班別コンテンツ・「前期赤松氏と西播磨の山城」・「播磨のたたら製鉄史」・「播磨国風土記」
- “Ancient Japan through Harima no kuni Fudoki”(trans.Eewina Palmer) ←『「播磨国風土記」 の古代史』の英訳版(2024年3月アップ)
兵庫県芸術文化協会「ふるさとの歴史講座神戸校」の開催協力(共催)
- 令和2年度(2020)「神戸・阪神間の古代史」坂江・古市・高橋・大平茂・藪田が計7回
- 令和3年度(2021)「神戸・阪神間の古代史Ⅱ」渡辺伸行・古市・坂江・大村・高橋・大国が計9回
- 令和4年度(2022)「『風土記』からみる古代の歴史」坂江・古市・高橋・松下正和が計10回
- 令和5年度(2023)「ひょうごの山城と赤松氏」山上・義則敏彦・島田拓・大村・永惠・大谷輝彦・藤木透・藪田が計10回
- 令和6年度(2024)「大阪湾岸と淡路の地域史研究」坂江・伊藤・禰冝田・前田徹・大村・永惠・古市・大国が計8回(延べ385名参加)
- 令和7年度(2025)「ひょうご鉄学いまむかし -播磨のたたら製鉄-」村上・田路・坂江・土佐・笠井・藪田・鈴木・永惠が計10回予定
その他
地方史研究協議会第74回兵庫大会の開催協力
- 令和6年10月19日(土)~20日(日):甲南大学にて/200名以上参加
- テーマ「五国の多様性と交流 -兵庫地域史研究の新たな試み-」
- 公開講演(藪田・大国)/共通論題研究発表(中村・前田・山上・加納・吉原)
司会(大村)/議長(坂江) - 問題提起論文(会誌430・431号)
定松・坂江・大村・田村・土佐・金田・竹内・永惠・山口 - パネル展示
大阪湾岸と淡路の地域史研究班
令和4年度に新たに発足した大阪湾岸と淡路の地域史研究班は、「これまでの淡路島日本遺産委員会との連携成果を踏まえ、前近代の大阪湾岸、淡路島の地域史研究に取組む。その成果を地域資源を活かしたまちづくり事業に反映させる。また前年度刊行の『『播磨国風土記』の古代史』の普及をめざす」という基本方針を掲げています。
淡路島日本遺産委員会、淡路3市、島根県古代文化センターなどと連携して、広く前近代の大阪湾岸と淡路の地域史研究をすすめる予定です。昨年度の構成メンバーは8名(文献史2、考古学5、日本彫刻史1)でしたが、今年度さらに補充される予定です。
たたら製鉄研究班
近世播磨のたたら製鉄について、宍粟市を主な調査フィールドとして、文献史学と考古学の両面から基礎的研究を試みています。平成30年度以降は、製鉄遺構がたくさん見つかっている島根県や岡山県の関係者とも共同研究しています。令和4年度は、「宍粟市と共同して、考古部門と文献調査部門の基礎的研究をすすめるとともに、その成果にもとづき、令和5年度以降に県民向けの『たたら製鉄解説書』(仮)の刊行をめざす」という研究方針を立てています。昨年度のメンバーは9名(文献史4、考古学5)でしたが、今年度はさらなるメンバーを補充する予定です。
「鳴門の渦潮」調査研究プロジェクト
令和2年度から4年度までを研究期間とする本プロジェクトでは、「『「鳴門の渦潮」と淡路島の文化遺産』(仮)を刊行し、研究の区切りをつける」という方針を掲げました。令和3年12月に学術目的で『淡路島文化財総合調査報告書(1988-2000)』を刊行、その成果を踏まえ、自然科学研究者とも連携して、令和5年2月末日、3年間の研究成果を集大成した『「鳴門の渦潮」と淡路島の文化遺産』を刊行しました。その中身は一部を除き以下で御覧いただけます。https://rekihaku.pref.hyogo.lg.jp/publication/reaserch/others/
