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公家物
住吉物語すみよしものがたり

住吉物語

住吉物語
(すみよしものがたり)
江戸時代 1冊 絵入写本 袋綴装 間似合紙
縦16.1㎝×横24.8㎝ 全23丁 1面12行
挿絵全2図(片面2図)

 継母にいじめられた姫君は、乳母子とともに住吉の尼のもとへ逃れます。そして、長谷寺観音(今の奈良県)の霊験により幸せな結婚にいたります。物語の原型は10世紀後半(平安時代)には成立していたと思われますが、後世の改作を経ているところが認められます。小さいながらも豪華な装幀の本で、このような絵入り写本を「奈良絵本」と呼んでいます。

 館蔵「住吉物語」は、本来は上中下3冊セットの「住吉物語」のうちの、中巻のみにあたります。

 物語の内容は、姫君を主人公にした典型的なシンデレラ・ストーリーで、継母にいじめられてのち、姫君は乳母子(めのとご)とともに住吉の尼のもとへと逃れ、長谷寺観音の霊験により幸せな結婚にいたるという継子物です。物語の原型は、10世紀後半にはすでに成立していたとみられますが、その後の院政期や鎌倉時代などに改作を経ていることから、擬古物語ともみなされています。

 資料の装幀は、半紙本くらいの判型の紙を横長に袋綴装(ふくろとじそう)にしています。表紙および裏表紙は、藍色に染めた紺紙地で、金泥で霞に柳を下絵に描いたものです。表紙中央には、橙色の題箋が貼り付けられ、「住吉物かたり 中」と、外題が墨書されています。見返しおよび裏表紙裏は、萬字繋文を地としてところどころに主文様の団花文を配置した文様を型押した銀地を使用しています。料紙には間似合(まにあい)紙を用いており流麗な書体で本文が墨書され、その間には金銀を多用した極彩色による手描きの挿絵2枚が入っています。

 ただ挿絵は、制作当初には全6枚あったらしく、4丁裏、13丁裏、16丁表、22丁裏をほぼ一面ごと欠損しており、4枚の挿絵が切りはずされたとみられます。現在は、7丁裏と18丁表の2枚のみが残っています。また綴糸は新しいものと取り替えられています。

 こうした点を除けば保存状況も比較的よく、小さいながらも豪華なつくりが魅力です。このような絵入り写本は「奈良絵本」と通称されるもので、室町時代後期から江戸時代前期にかけて制作されました。石川透氏の分類(石川透『奈良絵本・絵巻の展開』三弥井書店、2011年、「奈良絵本・絵巻の世界」『魅力の奈良絵本・絵巻』三弥井書店、2006年など)にもとづけば、館蔵の2冊は「奈良絵本」の終息期にあたる元禄年間(1688~1704)頃の作とみなせるようです。「嫁入り本」として、大名家や裕福な商家の嫁入り道具とされた、ともいわれています。

 故・入江正彦氏による児童文化の収集品(入江コレクション)で、当館の所蔵する2冊の「奈良絵本」のうちの1冊としても貴重な資料です。

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