これまでの展覧会
たくさんの歴史に纏わる展覧会を行ってきました。
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姫路・城下町の祭礼―播磨国総社の三ツ山大祭―
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2013/1/26(日)ー4/7(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
播磨国総社(射楯兵主神社)では、平成25年(2013)に「三ツ山大祭」が行われます。この祭礼は20年に一度行われ、60年に一度行われる一ツ山大祭とともに受け継がれてきました。その名称は、祭礼のシンボルとなる壮大で華麗なお山(置山)が三基造られることに由来しています。曳山祭礼の原型ともいえるこの大祭は、わが国の祭礼文化の基点を繙く祭礼としてひろく知られています。 この大祭の始まりは、播磨の平安を願った「天神地祇祭」に由来すると伝えられています。現在見ることができる祭礼は16世紀に整えられました。池田輝政により現在の姫路城が築城されると、城下町の祭礼として内容を豊かにし、近在近国から老若男女が押し寄せるほどの活況を呈したと伝えられています。 本展では「三ツ山大祭」の歴史をはじめ、祭礼風俗をとおして城下町・姫路の賑わいを紹介します。
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江戸時代のペーパークラフト―入江コレクションの組上絵―
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2012/7/21(日)ー9/23(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
江戸時代にも「組上絵」というペーパークラフトがあった。木版で色鮮やかに摺られた絵を切り抜き、組み立てると、立体的な物や情景ができあがる。それはいわば「紙のジオラマ」であった。組上絵は夏の風物詩として家々で飾られ、のちの子ども向け雑誌の組み立て付録のルーツともなった。 大阪のこども文化研究家であった故・入江正彦氏が収集し、当館に寄贈された「入江コレクション」には、264点に及ぶ組上絵が含まれている。この展覧会では、「入江コレクション」の組上絵を中心に、日本のペーパークラフトの伝統と歴史について紹介した。合わせて県出身のアーティスト、吉田稔美氏の製作した「ピープショー」や、ニュージーランド出身のペーパークラフト作家、トニー・コール氏の作品を紹介し、平面と立体の間の「2.5D」の不思議な視覚世界を体験してもらった。
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やきものは語る―ひょうごの城下と窯―
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2012/1/8(日)ー3/4(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
兵庫県立歴史博物館の建つ場所は、かつて姫路城の武家屋敷の一部であり、当館建設に先立って行われた発掘調査の結果、江戸時代後半を中心とした時代のやきものが数多く出土した。これらは調理や食事、あかりや暖房、喫茶や煙草など、当時の武家の日々の暮らしぶりを示しているものであった。発掘調査では、丹波・東山・三田・珉平など県内で生産されたもののほか、肥前(唐津、伊万里)、瀬戸・美濃など日本各地の陶磁器が出土しており、多彩なやきものに彩られた武家のくらしを垣間見ることがでることから、展覧会では当館の敷地より出土した陶磁器資料によりにより、姫路城の城下の当時の生活模様を振り返るものとした。さらに当館所蔵の陶磁器資料により、江戸時代における県内各地で生産された陶磁器を紹介するとともに、特に出石焼については、当館が平成2~3年に寄贈を受けた山口久喜氏のコレクションを展示活用することとした。 関連行事としては講演会を1回とワークショップを2回実施した。講演会については講師を県立考古博物館の村上泰樹氏に依頼し「ひょうご各地のやきもの」という演題で、特に近世後期に各地で興った磁器生産を中心に説明をしていただいた。 ワークショップについて、第1回は江戸時代の暮らしを来館者に体験していただく目的により、講師(インタープリター)を兵庫教育大学講師で造形作家のあさうみまゆみ氏に依頼し、「温石(陶片を温めて懐中に入れ暖をとるもの)にふれてみよう」を実施し、第2回は展示資料により親しんでいただく目的により「ペーパークラフトの行灯を作ろう」〔担当=鈴木(当館学芸員)〕を実施した。加えて当館の平常事業である「ミュージアムパフォーマンス」においても「やきものの破片に触れてみよう」と題して、陶磁器の出土資料の種類と生産時期をクイズ型式で学ぶという行事を行った(教材は県立考古博物館より借用)。 以上の事業によって、見て、触れて、製作するという多様な体験により、江戸時代のくらしと陶磁器について体験的に学ぶことができる企画とした。
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ひょうごの鉄道―鉄道新世紀へ―
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2011/7/16(土)ー9/25(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
1873(明治5)年に新橋と横浜間で日本最初の鉄道が開業し、その2年後に大阪と神戸間 の鉄道が開通した。1888(明治21)年山陽鉄道の兵庫~姫路間開業、1906(明治39)年の 鉄道国有化以降、兵庫県内各地に路線網が広げられていく一方で、阪神間では都市化や商 工業の発展とともに私鉄の路線が拡充していった。また官鉄を補完する機能を担った播電 鉄道等の軽便鉄道や、明延鉱山の一円電車等の企業による専用線も、市民の生活と深く関 わりを持っていた。 全国に拡充された路線網は、鉄道による産業の発展や旅の楽しさをもたらしたが、近年では自動車の普及等に圧されてその路線は縮小傾向にある。しかし鉄道は、地球環境保全への貢献が期待されるなど、今後も引き続きその役割が期待されている。 本展は、兵庫県の鉄道の歴史を紹介するとともに、鉄道の現状・未来について理解を深めていただくことをねらいとして開催した。
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姫路 今むかし
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2011/1/8(土)ー2/27(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
私たちが身近に感じる近現代の歴史のイメージは、自身の生活体験を踏まえた時の経過とともに、たえず変化しており、もうすぐ、大正→昭和→平成と続く時間の帯が100年の大台を迎えようとしている。この展覧会では、当館所蔵の高橋秀吉コレクションの中から、古写真や各種印刷物といった生活文化資料に加えて、当館の永年に亘る資料収集活動で蓄積してきた寄贈資料の数々を紹介し、私たちが歩んできた近現代の時間とは、どのようなものだったのか、地域に根ざした博物館活動に相応しいものとなるよう、「姫路」の今むかしを再認識する機会を提供したいと考えた。 展示は、〔Ⅰ部/姫路 その日その時〕〔Ⅱ部/城と街の風景〕の二部構成とし、第1部は、古写真・印刷物に読ませる解説文〔高橋秀吉回想文など〕を添えて、ゆっくりとした資料との対話を楽しんでいただき、第2部では、絵葉書・スケッチ画に資料名称の表示のみで、観覧者のペースで自由に接することができるように動線を設定した。会場内では、観覧者同士が会話の輪を広げている光景がしばしば認められ、通常の展覧会と異なり、おしゃべりの弾むサロン的な雰囲気づくりに効果があった。なお、会期中には担当学芸員による講演(れきはくアカデミー)と現地見学会を各2回実施し、展覧会内容をより一層の充実させるための関連事業の展開を企図した。
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変身―仮面のひみつ― なつやすみ親子シリーズ
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2010/7/17(土)ー9/23(木・祝)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
世界各地ではさまざまな仮面が作られる。人は仮面をつけると不思議な力を持つカミに変身を果たし、そして祭りに登場し人知を超えた活躍をする。兵庫県でも正月の鬼追いや田楽、獅子舞などの祭りに仮面が登場している。このような仮面の変身はテレビで活躍する変身ヒーロー達の誕生にも影響を与えた。展覧会ではアフリカやオセアニア、アジアを始めとする世界の仮面、そして、私たちが暮らしている兵庫県に伝わる仮面を中心に展示し、世界の仮面が持つ想像を絶する造形の魅力や、さらには仮面を使った変身の秘密を紹介した。
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ミニチュアの世界―小林礫斎と手のひらの宇宙―
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2010/1/30(土)ー3/28(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
わが国では古来より「ちいさきもの」を愛でる文化が息づいており、江戸玩具や雛道具として、そこに存在した美意識や職人の技術が受け継がれていました。その流れのなかで、明治から昭和にかけて小林礫斎(こばやしれきさい:1884-1959)と一流の職人たちは、現代ではもはや再現不可能なほどの匠の技と芸術性を凝縮し、卓越したミニチュアを作りました。 故・中田実氏は、礫斎作品のなかでも格段に小さい、極小のミニチュアを集めつづけ、彼の死後、コレクションは兵庫県芦屋の地で永らく守り伝えられてきました。氏の没後は東京都渋谷区のたばこと塩の博物館に寄贈され、同館により整理と調査研究が進められて来ました。この展覧会では同館に寄贈された旧中田実コレクションを中心に、小林礫斎とその工房によるミニチュアを一堂に会し、礫斎の足跡を回顧したものです。 会場では、技法や意匠のルーツとなった日本の古美術作品をあわせて紹介し、わが国に根づいた「ちいさきもの」を愛でる美意識の系譜に、こころを馳せる契機となるよう企画いたしました。
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姫路港開港50周年記念事業 船と海の博覧会
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2009/7/11(土)ー9/23(水・祝)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
四面を海に囲まれた日本は、古くから海を利用し、海に資源を求めて海洋国として発展してきた。また、世界的にも海と船を通じて文化・経済の発展を遂げている。船は人類の歴史とともに発達し、古代の丸木船から大航海時代の帆船、また日本における遣唐使船や江戸時代の商船である廻船などが、それぞれの時代の要請に応じて活躍した。今日では、世界的な海運の発展により大型のコンテナ船や観光旅行のブームとともに豪華客船などが世界を巡っている。 この展覧会は、世界と日本の船の歩みを精巧な模型などを通して紹介した。あわせて海や船のすばらしさや不思議さなどを伝えるハンズオン展示を行い、海洋に関する関心を高める機会とした。
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ものと人は船に乗って―ひょうごの港めぐり―
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2009/1/24(土)ー3/22(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
近世になると海運や舟運が発展し、瀬戸内海と日本海にまたがる兵庫県では、瀬戸内側の兵庫津(神戸市兵庫区)は江戸や蝦夷地を結ぶ重要な拠点として発展し、日本海側の諸寄(新温泉町)や竹野(豊岡市)などは、西廻り航路の北国海運の主力となった北前船の寄港地として賑わった。 また、近世で唯一、正式の国交があった朝鮮国から派遣された通信使や、長崎のオラン ダ商館長一行が寄港した室津(たつの市)や兵庫津をはじめ、県内各地には海外交流の足 跡が残され、港町の富裕な商家には、文人墨客が行き交い、文化的な交流を示すものが伝 わっている。 この展覧会は、近世の流通や交流の拠点となった兵庫県内各地の港をめぐり、地域の産 業の発展や文化の交流などにもスポットをあて、諸港の役割や特色を紹介した。 なお、本展は「姫路港開港50周年記念事業」に協賛した。
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光と影のワンダーランド―アニメのルーツをさぐろう―
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2008/8/9(土)ー9/28(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
現在、日本のアニメは世界的に高い評価を受けているが、そのアニメのルーツをたどっていくと、そこには、描いた絵に「命を吹き込む(アニメイト)」ことを夢見て、さまざまな仕掛けを工夫してきた人間の営みを見ることができる。原始的な光と影の遊びである「影絵」、レンズを通してもう一つの世界を幻視する「覗き眼鏡」、闇のなかに鮮やかな色彩を躍動させる「幻灯」、現実世界を忠実に写し取ろうとした「写真」、そして絵を動かして見せる「動画装置」と「映画」・・・。これらさまざまな「光学玩具」は、いずれも絵=幻想を現実に近づけようとしたものであり、アニメはその最終的な成果であった。 この展覧会では、当館の「入江コレクション」の中から西洋と日本の「光学玩具」など約180点を展示し、アニメに至る光学的な娯楽の歴史をたどった。展示室には体験コーナーを設け、影絵、ストロボスコープ、プラクシノスコープ劇場、紙フィルム映写機などの「光学玩具」を観覧者に実際に体験してもらった。 なお、オープニングイベントとして、明治~大正期のアニメーションフィルムを、当時と同じ映写機を使い弁士つきで上映する「日本最古のアニメーション」の特別上演を開催し、好評を得た。またNPO法人ひと・まち・あーと理事長の堂野能伸氏を講師として、「回転アニメーション(ゾートロープ)をつくろう」と題したワークショップを開催し、自分の描いた絵をアニメーションとして動かしてみせる楽しさを子どもたちに体験してもらった。
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新世紀こども大博覧会-入江コレクションにみる児童文化史400年-
- 種類
- 特別企画展
- 開催
- 2003/4/26(土)ー6/29(日)
- 主催・共催
- 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社、NHK神戸放送局、NHKきんきメディアプラン
入江コレクションは、大阪府吹田市の故入江正彦氏が収集した、児童文化史に関する一大コレクションである。その内容は、玩具、書籍、印刷物、生活用品、文房具、教育資料、商業資料、絵画、写真など多岐にわたっており、総数は約10万点にも達する。 入江氏は、事業のかたわら「入江児童文化史研究所」を主宰され、日本の児童文化史に関する資料の収集と研究に取り組んでこられた。入江氏は、これらの資料を整理ののち、公開。展示する計画を立てられていたが、平成12年(2000)1月、志半ばにして急逝された。入江氏の遺志を尊重して、コレクションは当館に一括寄贈されることになった。 本展覧会は、膨大な数にのぼる入江コレクションの中から厳選した資料を展示し、入江氏が夢見た日本児童文化史の総覧をめざした。