企画展「ふれる×れきはく-ユニバーサルミュージアムへの試み-」が10月3日(土)に開幕しました。

今回のテーマは「ふれる」。ハンズオン展示をふんだんに盛り込んだ展覧会となっています。

「ハンズオン(Hands-on)」とは、直訳すると「手を置く」「手を触れる」という意味で、さわって学ぶ体験学習のことを指します。博物館におけるハンズオン展示は、資料のレプリカにさわれたり、資料の構造や仕組みを体験しながら学ぶことができるなど、その方法はさまざまです。今回はこのハンズオン展示を教育的な観点のみならず、もう少し広い視野で捉えて導入することとしました。

サブタイトルにもあるように、本展では「ユニバーサルミュージアム」を意識した展覧会づくりを行なっています。ユニバーサルミュージアムとは、言語や性別、年齢、障がいの有無などにかかわらず、誰もが楽しむことのできる博物館を目指す考えのことです。展覧会全体をユニバーサル化するために、パネルの解説文を簡潔にして英訳をつけたり、車いす利用者などの視線の低い方でも見やすい高さに展示物を配置したり、視界に入る資料がなるべく1つの種類になるようにするなど、普段とは異なる展示方法にもチャレンジしています。

本展では大きく分けて5つの体験をすることができます。

1つ目は、「本物の資料にふれる」。

当館に所蔵されている資料から、稲畑人形、神戸人形、出石焼、民具を実際に触っていただけます。質感や重さなどを感じていただける貴重な機会となっております。

2つ目は、「仕組みを知る」。

普段は展示している状態でしか見ることがない資料も、その仕組みを知ることでより理解が深まります。本展では、淡路人形のからくり模型、屏風の構造模型、和本のレプリカ、多色刷りはんこ体験を通して、資料の仕組みや構造を知る体験ができます。

3つ目は、「絵にふれる」。

駅やショッピングモールなどで、視覚障がい者の方が情報を得るための凹凸のある地図「触知案内板」を見たことがある方も多いのではないでしょうか。その技法を応用して絵柄を凹凸で示した「触図(しょくず)」を作成しました。仏画は主に画面構成(配置などを示したもの)、近世絵画はモチーフとなるものや筆致を示す形で表現しました。

4つ目は、「仏像にふれる」。

当館と協定を結んでいる兵庫教育大学との連携プロジェクトとして、芸術表現系教育コース・美術分野の在学生・卒業生の方に当館の仏像の一部を模刻制作していただきました。仏像にふれるという体験をするとともに、さまざまな材質を使った美術作品にふれるという体験を同時に実現することができました。

5つ目は、「聴覚と嗅覚でふれる」。

視覚に頼りがちになってしまう博物館ですが、本展では触覚に加え、聴覚と嗅覚を使ってご観覧いただきます。聴覚体験としては、当館でも所蔵している「熊野観心十界図」を元に作られた映像作品「組曲 六道」の上映を行なっています。聴覚障がい者の方への情報保障として、タブレット端末にて字幕付き、演奏風景付きの映像を見ることができます。また、嗅覚体験としては、『仮名手本忠臣蔵』のお話しを元にした「香り当てゲーム」をご用意しています。

小さな子ども連れの方や静かに鑑賞することが苦手な方も周りを気にせずご観覧いただける「自由に話せる観覧日」を展覧会会期中実施しています。

この展覧会が、博物館に来る初めのきっかけとなれば幸いです。

みなさまのご来場お待ちしております!