2021年9月からおよそ1年半の改修工事を経て、2023年4月8日、当館はリニューアルオープンしました。
今回は、新しくなった常設展示について紹介します。

ひょうご五国のあゆみ

まずは2階の「ひょうご五国のあゆみ」です。
ここでは、古代から現代にかけての兵庫県域の歴史的なあゆみについて展示しています。
当館のこれまでの常設展では、いくつかのテーマにあわせて県内ゆかりの資料を展示していましたが、兵庫県の通史をはっきりと展示していたわけではありませんでした。
それに対して、この「ひょうご五国のあゆみ」では、それぞれの時代を理解する手がかりとなる資料を展示しています。

歴史回廊と高橋コレクション

ひょうご5国のあゆみを抜けると、「歴史回廊」というスペースがあります。
当館が所蔵する大規模なコレクション資料のなかに「高橋秀吉コレクション」があります。このコレクションは、姫路で『鷺城新聞』などを発行するなど、地域の歴史文化の担い手であった高橋秀吉氏(1899~1970)が収集したものです。
このなかには、数多くの絵はがきや古写真があり、「高橋コレクション」の大きな特徴となっています。
これら絵はがきや古写真の膨大な分量に比して、一度に展示できる数は限られています。そこでこのスペースでは、高橋コレクションの絵はがきや古写真をプロジェクションしています。今後、特別展などのテーマにあわせてプロジェクションの内容をつくるなど、柔軟な活用法を考えています。

美術とくらし

次に、1階奥のスロープを下りたところにある「美術とくらし」です。
ここには、以前の常設展示を引き継いでいるところと、新しくなったところがあります。
小野市の浄土寺(重要文化財)の模型や、ひょうご5国の仏像の模型など、兵庫県内の仏教文化に関わる展示を、これまでどおり観ることができます。
これにくわえ、仏教美術や、兵庫ゆかりの工芸、絵画資料を新しく展示しています。
そして人びとの生活のようすを示す資料も、新しく常設展示に加わりました。

今回は詳しく紹介できませんが、「こどもはくぶつかん」「ひょうごと祭り」「姫路城大解剖」は、これまでどおり展示しています。ここにも、新しくなったところがありますので、ぜひご覧ください。

広大な県域をもつ兵庫県は、地域によって多様な歴史をもっており、そのすべてをこれらの常設展だけで紹介することはできません。ここに紹介した展示は、年内に何度か展示替えを行いますので、それを通じて兵庫県の多様な歴史に少しずつ迫りたいと思います。
こうした常設展の内容の変化にも注目しながら、何度も当館へお越しいただけると幸いです。