研究員のブログ
2019年11月30日
令和元年度ひょうご歴史文化フォーラムの結果
2019年11月30日(土曜日)
令和元年度ひょうご歴史文化フォーラムの結果
ひょうごの地域史研究者の情報交換の場として年に一度開いているひょうご歴史文化フォーラムを、11月30日、兵庫県立考古博物館講堂で開催した(同館と共催。島根県教育委員会が後援)。
兵庫県立歴史博物館では、この4年間、ひょうご歴史文化フォーラムを、ひょうご歴史研究室の3つの研究テーマの成果にもとづき、関係する地元自治体と協力して開催してきた。
今年度は、ふたたび『播磨国風土記』に関わる研究分野にスポットをあて、「古墳時代の印南野と倭王権」というテーマのもとおこなった。
講演とコメント
講演①
「印南野の地形環境と古墳」中村弘(ひょうご歴史研究室研究員/兵庫県立考古博物館学芸課長)
講演②
「『播磨国風土記』の「印南の別嬢」伝承からみた印南野」高橋明裕(ひょうご歴史研究室客員研究員/立命館大学非常勤講師)
コメント①
「『出雲国風土記』からみた出雲西部と倭王権」」平石充(島根県古代文化センター主席研究員)
パネルディスカッション(約1時間)
会場から寄せられた質問状(12通)も参考にしつつ、古墳時代の印南野と吉備、倭王権との関係をどうみるか、それらと出雲地域との比較、6世紀以降の印南野の加古川河口部付近の開発形態の特質は何か、高橋講演でキーパーソンとされた「息長命」の存在を歴史的にどうみるかなどを主な論点として、中村弘・高橋明裕・平石充3氏との間で、活発な討論がおこなわれた。
司会は大平茂氏と坂江がつとめた。
回収したアンケート用紙によると、内容がやや難しかったという感想もあったが、一方で「考古学、文献史学双方からの新しい知見が得られた。興味深い内容だった」などの意見も寄せられた。
参加者は170名だった。