昨年度末に解散した「たたら製鉄研究班」では、文献史学と考古学のメンバーが一緒になって、播磨のたたら製鉄の歴史に関する基礎的な研究を行っていました。そうした共同研究の成果を、わかりやすい入門解説書を目指したのが本書です。また、刊行されたブックレットは、令和6年度開催の特別展「ひょうご鉄ものがたり」の開催と連携して作成しています。

執筆には、「たたら製鉄研究班」の旧メンバー(村上泰樹・土佐雅彦・永惠裕和・大村拓生・笠井今日子・加納亜由子・田路正幸・藤田淳・坂江渉)のほか、特別展の担当者である鈴木敬二学芸員が加わり、約1年半の間の共同研究を経て誕生しました。構成は第1部「鉄づくりのはじまり」、第2部「播磨のたたら製鉄」、第3部「製鉄の現在」の3部、あわせて29篇の読み切り論文からなります。皆さま方には、もっとも関心のあるテーマから入り、本書全体をお読みください。それを通じて播磨地域への理解と親しみが深まるとともに、たたら製鉄の歴史を活かしたまちづくりがすすんでいけば幸いと考えます。

 本書は書店にてお買い求めください。
  兵庫県立歴史博物館ひょうご歴史研究室編
  村上泰樹・土佐雅彦・坂江渉監修
  『ひょうご鉄学いまむかしー播磨のたたら製鉄ー』
  神戸新聞総合出版センター刊 A5版、80ページ
  ISBN9784343012432
  税込み価格  1,320円