企画展 齋藤畸庵-城崎の画家が夢見たユートピア- 開催期間: 2024年07月13日(土) 〜 2024年09月01日(日)

齋藤畸庵(さいとうきあん)(1805-83)は、幕末から明治にかけて活躍した城崎(きのさき)(兵庫県豊岡市)生まれの文人画家です。幼くして耳を患ったことから詩や絵画に心を寄せるようになったという畸庵は、兵庫県内のみならず四国、九州を旅して多くの人びとと出会い、詩画の腕を磨きました。晩年には活躍の場を東京に移し、79 歳で没するまで数多くの山水画を描きました。彼の作品は、緻密でありながらも俗気がないと評価されました。

令和 4 年、長年にわたり齋藤畸庵の研究と作品収集をしてこられた関茂昭(せきしげてる)氏より、畸庵の書画コレクションが兵庫県立歴史博物館に寄贈されました。これにより畸庵の画家としてのあゆみを振り返ることが可能となりました。

この展覧会では、関茂昭氏のコレクションを中心に、関連する資料を交えながら畸庵を紹介し、知られざる郷土の画家・齋藤畸庵の魅力に迫ります。心遊ばせる理想郷として描かれた畸庵の山水画の世界をお楽しみください。

報道関係の方へ
本展に関して、新聞、広報誌、テレビ等にて掲載・放送するにあたり、下記の「記者発表資料」をご覧いただき、「資料請求書」をFAXにてご提出いただきますようをお願いいたします。

展覧会のみどころ

最高!畸庵―齋藤畸庵の生涯と作品を史上最大規模で展示

齋藤畸庵に関する展覧会は、近年では平成 29 年に豊岡市立歴史博物館で企画展「斎藤畸庵の軌跡―城崎が生んだ幕末~明治の南画家―」が開催され、郷土の偉人として畸庵が紹介されました。

本展はこのような近年の研究成果に学びつつ、新たな作品、資料を交えて開催する史上最も大規模な畸庵展。ふすまや屏風の大作から手のひらに収まる小さな画帖(折り本)まで、彼の作品と関連資料およそ 100 点を展示します。お気に入りの一点が見つかるかもしれません。

再考:畸庵―知られざるふるさとの画家の横顔に迫る

畸庵は兵庫県出身の画家ですが、県内でもご存知の方は少ないのではないでしょうか。実は城崎のある但馬だけでなく、姫路、明石、神戸、洲本などに逗留し各地の文化人たちと交流しており、「但馬の画家」にとどまらず「兵庫県の画家」というにふさわしい人物といえます。

本展では、彼の交友関係を伝える資料など、作品以外の新出資料も交えて、知られざるふるさとの画家・齋藤畸庵の生涯をたどります。

畸庵翁奇譚(きあんおうきたん)!―魅力的な人がらを伝える逸話を4コマで

畸庵はどんな人だったのでしょう。彼の人がらを伝えるエピソードを紹介するオリジナル 4 コマまんが「畸庵翁奇譚!」は必見です。文人画や山水画がはじめての方も、ぜひその人となりを感じてみてください。

開催概要

会期令和6年7月13日(土)~ 9月1日(日) 開館44日間
開館時間10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日月曜日
※ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・祝)は開館、
7月16日(火)、8月13日(火)は休館
会場兵庫県立歴史博物館 特別展示室
〒670-0012 兵庫県姫路市本町68
電話:079-288-9011  FAX:079-288-9013
主催兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社
後援兵庫県、兵庫県教育委員会、NHK 神戸放送局、サンテレビジョン、ラジオ関西
協力山陽電気鉄道株式会社、神姫バス株式会社
協賛公益財団法人グローリー小学生育成財団、公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部
特別協力城崎温泉観光協会
大人500円(400円)
大学生350円(250円)
70歳以上250円(200円)
障がい者一般:100円(100円)
大学生:50円(50円)
高校生以下無料(無料)
備考※(  )内は20人以上の団体料金
※障がい者1人につき、介護者1人は無料
※7月13日(土)~15日(月・祝)はプレミアム芸術デーのため観覧無料

オンラインチケットも販売しております→

オンラインチケットをご購入の方は、ご来場当日、展覧会入場口にてチケットのQRコードをかざしてご入場ください。

展覧会の構成とおもな展示資料

※会期中展示替えがあります。
前期:7 月 13 日(土)~8 月 4 日(日) / 後期:8 月 6 日(火)~9 月 1 日(日)

1.畸庵を生んだ城崎―山房、愛宕山を負い大溪川に俯す

畸庵の生い立ちや当時の城崎に関する資料を紹介するとともに、畸庵が城崎のアトリエ・白雲山房で描いた大作をご覧いただきます。

齋藤畸庵《竹巌秋雨》 1866 年
兵庫県立歴史博物館蔵 関茂昭コレクション 【通期】
齋藤畸庵《夏景山水》 1867 年
兵庫県立歴史博物館蔵 関茂昭コレクション 【通期】

2.画業のはじめ―弱冠画を竹洞先生に学ぶ

畸庵は若いころ、京都で文人画家として名を馳せていた中林竹洞に画を学んだといいます。竹洞の影響を受けた畸庵の初期作品を、竹洞の作品と比較します。

齋藤畸庵《倣董源山水》 1850 年
兵庫県立歴史博物館蔵 関茂昭コレクション 【通期】

3.旅立ち―山水の奥旨を究む

竹洞に学んだのち、畸庵は播磨や淡路、四国、九州を旅して各地に所蔵される中国絵画を模写し、自ら山々を踏破して雄大な景色に触れました。竹洞のもとを離れて独自の道を歩みはじめた畸庵の作品を紹介します。

齋藤畸庵《山水》 1858 年
兵庫県立歴史博物館蔵 関茂昭コレクション 【通期】
齋藤畸庵《那智瀑布》 1848 年
兵庫県立歴史博物館蔵
関茂昭コレクション 【前期】

4.円熟―時事の艱を聞くを免る

長期にわたる九州遊歴から帰還した畸庵は、50代後半から60代にかけて、地元・城崎を拠点に活動しました。幕末から明治へ移り変わる混乱した時代でしたが、畸庵にとっては、但馬、丹後の寺院に障壁画の大作を描くなど充実した時期でした。円熟期を迎えた畸庵の作品をご覧いただきます。

齋藤畸庵《夏日溪居》
兵庫県立歴史博物館蔵 関茂昭コレクション 【後期】

5.晩年の挑戦―緻密にして俗気なし

70代に入ると、畸庵は東京へ移住します。緻密でありながらも俗っぽさがないと評価された畸庵の晩年の画境を示す作品をご覧いただきます。

齋藤畸庵《四時山水》(部分) 1880 年
兵庫県立歴史博物館蔵 関茂昭コレクション 【通期】

番外編 きあん先生、うさぎも描いて(第 2 会場:コレクションギャラリー)

畸庵の作品のほとんどが山水画ですが、人物や花鳥を描くこともありました。番外編として、山水画以外の切り口から畸庵の作品を紹介します。

齋藤畸庵《暗香籠月》 1839 年
兵庫県立歴史博物館蔵 関茂昭コレクション 【通期】