特別展 開館40周年/兵庫・沖縄友愛提携50周年記念特別展「首里城と琉球王国」 開催期間: 2024年03月16日(土) 〜 2024年05月12日(日)
兵庫県と沖縄県が友愛提携協定を結んで50年の月日が経ちました。昭和47年(1972)の提携調印以来、両県では今日までに各方面で活発な相互交流が推進されています。兵庫県立歴史博物館においても、平成21年(2009)に琉球王国の歴史や文化を紹介する展覧会を開催しました。
本展は、半世紀にもおよぶ両県の友愛提携を記念して開催する二度目の展覧会となります。首里城をはじめとした南西諸島のグスク(城)や琉球王国の社会のしくみが分かる歴史資料のほか、近世琉球の文化を象徴する美術工芸品、琉球の風土に根ざした民俗資料などを展示し、平成21年開催の展覧会とは別の角度から琉球・沖縄の歴史・文化を紹介します。また、沖縄県における文化の保存・継承を目指す取り組みや、現在進められている首里城の復興のようすも取り上げます。
展覧会のみどころ
首里城をはじめとした、沖縄のグスク(城)に関係する資料を展示!
琉球国王尚家(しょうけ)に残された国宝の首里城に関する資料や、首里城から出土した重要文化財を展示するほか、グスクとよばれる沖縄の城郭で発見された資料も紹介します。また、令和元年(2019)に焼失した首里城正殿について、復興を進めていくなかで作成された資料も関西上陸!
国宝・重要文化財をはじめとする貴重な資料や初公開となる資料も!
琉球国王に仕えた士族が残した家譜(かふ)と呼ばれる記録や衣装を紹介します。18世紀末頃に作成され、近年重要文化財に指定された地図(琉球国之図・間切図(まぎりず))の精度の高さも必見!このほか、原本が失われている琉球の占い本「時双紙(ときそうし)」など、沖縄県外初公開となる資料もお披露目します。
琉球王国・近代沖縄の歴史・文化・民俗に触れる!
琉球王国や近現代沖縄の歴史・文化・民俗を、12世紀から現代に至るまでの出土遺物や絵画や漆器、古文書などのさまざまな資料をとおして紹介します。
【歴史】
知っているようで知らない琉球王国の歴史をコンパクトにまとめました。
【文化】
周辺諸国との交流のなかで育まれた琉球王国の美術工芸品を展示します。また、その伝統を近現代の混乱のなかでも受け継ぎ、現代に伝えてきた取り組みや、当時の技術を再現して復元された資料も必見!
【民俗】
琉球の特徴的な民俗である御嶽(ウタキ)と神女(ノロ)の信仰、来訪神信仰、妖怪(マジムン)と魔除けなどを紹介!
開催概要
会期 | 令和6年3月16日(土)~5月12日(日) 開館50日間 |
開館時間 | 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日 ※ただし、4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館、 4月30日(火)、5月7日(火)は休館 |
会場 | 兵庫県立歴史博物館 特別展示室 〒670-0012 兵庫県姫路市本町68 電話:079-288-9011 FAX:079-288-9013 |
主催 | 兵庫県立歴史博物館、神戸新聞社 |
特別協力 | 沖縄県立博物館・美術館 |
後援 | 兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人兵庫県青少年本部、 一般財団法人沖縄県人会兵庫県本部、NHK神戸放送局、サンテレビジョン、ラジオ関西 |
協力 | 山陽電気鉄道株式会社、神姫バス株式会社 |
展覧会の構成とおもな展示資料
※会期中展示替えがあります。
第1部 首里城と琉球王国の歴史
沖縄県を含む南西諸島は、サンゴ礁に囲まれた亜熱帯の島であるという環境的特性や、東アジア文化圏に接するという歴史的特性のなかで貿易によって繁栄し、独特な文化を形成しました。
第1部では、おもに首里城をはじめとした南西諸島のグスク(城)や、中国や日本との間で独自の立ち位置を築いた琉球王国の社会のしくみをトピックスごとに紹介します。また、幕末・維新期における西洋諸国の接近と琉球処分にともなう王国の動揺も取り上げます。
第2部 琉球王国の美術工芸
紅型(びんがた)や織物などの染織品、琉球王朝文化の華とも呼ばれる漆器、湧田や壺屋で制作されたやきものなどの工芸作品や、平成21年の展覧会では取り上げなかった絵画を展示して近世に花開いた琉球王国の文化を紹介します。
第3部 琉球の民俗
御嶽(ウタキ)と神女(ノロ)、来訪神などの特徴的な宗教文化を中心とした琉球の民俗について紹介します。
第4部 歴史文化の記録・復興・継承
沖縄県の文化財は、明治以降の近代化の過程やアジア・太平洋戦争末期の戦禍によって数多く失われました。
その一方で、琉球の歴史や文化に注目し、詳細な記録を残してきた人々もいました。鎌倉芳太郎はその代表的な人物の一人として知られ、彼の作成した貴重な調査記録は平成17年(2005)に重要文化財に指定されました。こうした記録を基にして、沖縄県立博物館・美術館では、平成27年(2015)より、失われた文化財とその製作技術の復元を目指す「琉球王国文化遺産集積・再興事業」を実施してきました。
第4部では、近代以後に琉球の芸術文化がたどった過程や、文化を後世に伝えようとしたさまざまな人々の営みを紹介します。また、令和元年(2019)10月に主要建築物が焼失した首里城復元事業の現在のようすも紹介します。