年末の寒波で雪の正月を迎えた地域も多かったようですが、こちら姫路は好天に恵まれ穏やかな三が日でした。

播磨国総社射楯兵主神社の初詣

 写真は、姫路を含む旧播磨国の総社、射楯兵主(いたてひょうず)神社の初詣の一コマです。初出勤日であった4日のお昼に参拝したのですが、拝殿から唐門まで二列の行列ができていました。昨年は新型コロナウイルス感染による緊急事態宣言もあり、窮屈な思いをしたこともあったからでしょうか、「今年こそは」と家族や友人連れで参拝する人が、いずこも人出が多かったのではないでしょうか。 新年に、人々が神仏に真摯に祈願する姿というのは美しいものです。もちろんわたしも館長として、館のスタッフ一同の心身の安全をお願いしました。

 さて、その当館ですが、目下、大規模改修工事の最中にあります。したがって、大規模工事による休館中に新年を迎えたのです。姫路市立美術館から北に向かうと、正面に兵庫県立歴史博物館が見えるのですが、去年の10月から、全体が柵で囲われています。

正面から見た大規模改修工事中の博物館

 グルッと建物を迂回し、裏側にある工事関係者と兼用の出入口に向かうことではじめて入館できるのです。終了が年末ということですから、今年は365日、この状態が続きます。その間、館内の事務スペースを移動しながら、工事の竣工を待つことになります。開館39年にしてはじめて体験する「一年間の休館」です。

 姫路城の東側には県道518号が通り、姫路駅北側停留所から北に向かう神姫バスが何便も走っています。姫山公園北・博物館前というバス停で降りると、徒歩数分で博物館に至るのですが、その途中には、休館を告知する案内が掲げられています。普段は、特別展や特別企画展を告知するものですが、今年は、この告知がすべてです。

休館などを伝える告知板

 とはいえ、館は休館でも、博物館の業務は休業ではありません。この機会にと、歴史博物館の出張展示を県内各所で行います。題して「“ひょうご五国”歴史文化キャラバン」。 日頃は、姫路に来てもらう、博物館に来てもらう―という「待ち」の姿勢であったのが、この度は、「出かける」という姿勢に転じることになります。

 初回の会場となる尼崎市立歴史博物館など県下に所在する博物館・美術館・資料館のご協力を得て、実現しました。貴重な機会を与えていただいた各博物館に対し、心から感謝申し上げます。

 詳しくはホームページをご覧頂きたいと思いますが、どんな出会いがあるか、とても楽しみです。わたしは、すべての会場に伺うつもりでおります。