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名所めぐり酒づくりさけづくり
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伊丹の酒づくりは大阪府の池田と並んで有名である。とりわけ上酒と呼ばれる高級酒の産地として、江戸時代初期には確固たる地位を築いていた。『摂津名所図会』には「酒匠の家六十余戸あり、みな美酒数千斛をつくり」と記され、『日本山海名産図会』では第一巻の最初に伊丹の酒造りが紹介されているほど高名であった。「文禄・慶長年間(1592~1615)に始まり、江戸に送って大評判となった」旨が記されている。当時、江戸に送られた伊丹の高級な酒は「くだりもの」といわれ有り難がられていた。現代語の「くだらぬもの」という表現はこの「くだりもの」の逆で、「江戸に送らない品質の落ちる物、下級品」という意味から生まれた言葉である。伊丹の酒造りは元禄期に最盛期を迎えたが、裕福な酒造家は元禄文化のパトロンとして華やかな上方の文化を発展させた陰の功労者でもあった。
現在の伊丹の町には所々に古い酒蔵が残り、江戸時代の雰囲気を残した新しい観光地としても注目されている。「手にとらば 消えなむ白雪はしけやしこの白雪は わがこころ焼く」という、旅と酒を愛した若山牧水の歌碑が立つ。
所在地 : 伊丹市
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