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名所めぐり大物浦だいもつうら
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大物浦は古くからの物流の結節点で、海の輸送と川・陸の輸送との変換点であった。海上を運ばれた物資はここで川船に積み替えられて都へ運ばれ、また西国を目指す人々にとっては海の玄関口でもあった。謡曲『舟弁慶』ゆかりの地としても知られている。『平家物語』にも記述がみられ、源頼朝に疑われ都落ちを決意した義経が、西国を目指して船出したのが大物浦であるという。大物浦にある大物主神社には、義経主従が一時身を潜めたという言い伝えが残り、境内には「義経・弁慶隠れ家跡」の碑がある。海上交通の要衝として栄えた大物の地にあるこの神社に、自分たちの航海の安全を祈願したのであろうか。大物浦を出発した義経たちは、祈りもむなしく大風に吹き戻されやがて吉野の地に落ちていく。
今は埋め立てられ、海岸線は、当時と比べると、はるか沖合いにある。埋め立てられた場所には、細長く伸びる公園があり、かつての大物浦の姿を偲ぶことができる。
所在地 : 尼崎市大物町
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