2017年11月18日(土曜日)
平成29年度ひょうご歴史文化フォーラムの結果
兵庫県立歴史博物館と上郡町が主催し、大手前大学史学研究所が共催した平成29年度ひょうご歴史文化フォーラム「発祥の地、赤松から考える -赤松氏研究の新展開-」が、11月18日(土曜日)、上郡町生涯学習支援センターで開かれた。
県立歴史博物館では、兵庫の歴史ファンが集い、情報交換する場として、毎年「ひょうご歴史文化フォーラム」を開催している。
今年度は、館内に開設されているひょうご歴史研究室が、上郡町や大手前大学などと連携して進めた共同研究の成果を、3人の研究者が発表した。
当日は、遠山寛上郡町長の挨拶の後、ひょうご歴史研究室歴史研究推進員の大村拓生氏が、赤松氏と赤松地区の関わりについて、赤松円心が立てこもった白旗城という名前が持つ象徴的意味について紹介。
つづいて島田拓・上郡町教育委員会学芸員(ひょうご歴史研究室共同研究員)が、赤松居館跡の発掘調査の現況に関して、合わせて3時期の地層面が検出されるとともに、出土した土器が、守護による宴会で使用されたと指摘した。
さらに山上雅弘・兵庫県立考古博物館課長補佐(ひょうご歴史研究室共同研究員)は、全国的に、室町期の赤松氏の守護屋形の実態が解明されることには、大きな意義があると述べた。
その後のパネルディスカッションは、小林基伸・大手前大学総合文化学部長(ひょうご歴史研究室客員研究員)と、大谷輝彦・姫路市教育委員会課長補佐(ひょうご歴史研究室共同研究員)の司会ですすめられ、発掘調査の成果と文献史料にみえる赤松氏の動きとの関連性、今後の発掘調査の展望などが議論された。
当日は、上郡町の内外から、合わせて180名の参加者がみられ、「文献史学と考古学の両面から赤松氏居館にアプローチされており、有意義な会だった」「赤松居館跡の来年調査後の報告が楽しみ」などの声が寄せられた。