特別展 「描かれたお城と城下町―築かれた城・理想の城・古城―」 開催期間: 2025年07月12日(土) 〜 2025年08月31日(日)

報道関係の方へ
本展に関して、新聞、広報誌、テレビ等にて掲載・放送するにあたり、下記の「記者発表資料」をご覧いただき、「資料請求書」の提出をお願いいたします。
(※下部に記者発表資料(PDF)と資料請求書(Word)のデータを添付します。)
江戸時代には、実在するものから架空のものに至るまで、さまざまなお城が描かれてきました。
資料に描かれたのは、実在するお城に関するものだけでなく、江戸時代の時点で古城となっていたものや、実在しないお城さえありました。
ではなぜ、これらのお城は描かれたのでしょうか。
本展では、城郭を描いた絵図や関連資料をご紹介しながら、それらが作成された背景にある江戸時代の社会を考えてみたいと思います。
本展では、江戸城や大坂城、二条城といった幕府のお城から、姫路城をはじめとした各地のお城、さらには古城の絵図も展示します。この機会にさまざまなお城に親しんでみませんか?
展覧会のみどころ
約30年ぶりに里帰りを果たす「姫路城図屏風」を展示します。
越前市の個人宅に伝わった「姫路城図屏風」の実物を、約30年ぶりに展示します。
屏風に描かれた景観は、17世紀後期あるいは18世紀中ごろに姫路を治めた松平時代(第2次 or 第3次)のものと考えられています。
本図では、特に姫路城内三の丸内などが詳細かつ正確に描かれていますので、ぜひ注目ください。
徳川大坂城再築普請にかかわるとみられる新出資料を初公開!
淡路島の南に浮かぶ沼島(ぬしま)で昨年末に再発見された「寛永弐年六月廿三日蜂須賀家政(蓬庵)制札(かんえいにねんろくがつにじゅうさんにち はちすかいえまさ(ほうあん)せいさつ)」は、昭和45年(1970)に資料の存在が紹介されていたものの、実物の所在が不明とされてきました。
兵庫県立歴史博物館ひょうご歴史研究室(昨年度末閉室)が委託を受けた「鳴門の渦潮」調査研究プロジェクトによって、昨年12月に実物の現存が確認されたため、本展においてはじめて公開します。
本資料が海を渡るのは、実に400年ぶりのことかもしれません。
名古屋城や二条城、大坂城に関する国指定重要文化財を展示!
名古屋城や二条城、大坂城の築城に携わった大工頭・中井家に伝わった貴重な指図や文書、二条城二之丸御殿を彩った障壁画のうち、遠侍三之間の「竹林群虎図(ちくりんぐんこず)」の展示を行います。
篠山藩・青山家に伝わった貴重な「肥前名護屋城図」も出品
本図は秀吉の朝鮮出兵の拠点として築かれた名護屋城(佐賀県)とその城下町を描いた図で、現在は丹波篠山市教育委員会が所蔵しています。
佐賀県立名護屋城博物館本と群馬県個人蔵本のほか、本図を加えた 3 点しか類例のみられない大変貴重な図をご覧いただけます。
これまで知られてこなかった各地の城郭修補図や、その制作にかかわる資料を公開!
兵庫県立歴史博物館が開館以来収集してきた城郭修補図のうち、比較的時期の古い資料を中心に展示します。
また、江戸幕府老中を勤めた姫路藩・酒井家に伝わった城郭修補図や、篠山藩・青山家に伝わった篠山城の修補にかかわる絵図の一部について、近年進展した研究成果を踏まえながらご紹介します。
※会期半ばで展示替えをします。
前期:7月12日(土)~8月11日(月・祝)
後期:8月13日(水)~8月31日(日)
※出品件数:合計約 100 件(予定)
開催概要
会期 | 令和7年(2025)7月12日(土)~8月31日(日) 44日間 |
開館時間 | 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日 ※ただし7月21日(月・祝)・8月11日(月・祝)は開館、7月22日(火)・8月12日(火)が休館 |
会場 | 兵庫県立歴史博物館 特別展示室 〒670-0012 兵庫県姫路市本町68 電話:079-288-9011 FAX:079-288-9013 |
主催 | 兵庫県立歴史博物館、姫路市立城郭研究室(姫路市教育委員会)、神戸新聞社 |
後援 | 兵庫県、兵庫県教育委員会、姫路市、丹波篠山市、丹波篠山市教育委員会、NHK神戸放送局、サンテレビジョン、ラジオ関西 |
大人 | 1200円(950円) |
大学生 | 950円(750円) |
70歳以上 | 600円(450円) |
障がい者 | 一 般:300円(200円) 大学生:200円(150円) |
高校生以下 | 無料(無料) |
備考 | ※( )内は20人以上の団体料金 ※障がい者1人につき、介護者1人は無料 |
前売券 一般(950円)を下記のとおり販売します
販売期間:7月11日(金)まで
- 兵庫県立歴史博物館
- 姫路市立美術館友の会
- 中井三成堂
- 姫路市文化国際交流財団(姫路キャスパホール)
展覧会の構成とおもな展示資料
展覧会の構成
1 幕府の城
江戸城や大坂城、二条城といった幕府の城にかかわる絵図や資料を紹介しながら、“ひょうご”との関わりを紹介します。特に大坂城とのかかわりについてスポットをあてます。
2 大名の城と城下町
約30年ぶりに里帰りを果たす「姫路城図屏風」をはじめとした城下町の絵図や、城郭修理伺図の作成過程の分かる資料を紹介します。
3 理想の城づくりを目ざして―軍学の世界―
江戸時代になると、実践的な戦術や築城術を体系化させた学問が誕生します。
こうした兵学や軍学とよばれる学問でも、理想の城づくりを目指して城絵図が描かれました。
本章では、軍学関係の絵図を中心に紹介します。
4 古城を想う
人々のなかには、当時使われなくなった古城に対して特別な思いをもつ人々もみられました。
また、古城跡はさまざまな地誌でも取り上げられるようにもなります。
本章では、こうした地域に残された古城に対する人々の想いがみられる資料に注目してみたいと思います。
おもな展示資料

中井正知氏・中井正純氏蔵 大阪くらしの今昔館寄託
重要文化財 撮影/京極寛氏※前期展示

中井正知氏・中井正純氏蔵 大阪くらしの今昔館寄託
重要文化財 撮影/京極寛氏 ※後期展示









画像提供/鳴海邦匡氏