本文へスキップします。

ここから本文です。

現在に残るたたら製鉄の痕跡

たたら製鉄の場所では、原材料となる砂鉄の採取や、砂鉄を流して行う選鉱、そして砂鉄を溶かして鉄をつくる作業が広く行われ、それによって周辺の自然地形が大きく変化しています。
このことから、現在に残る自然地形のなかには、たたら製鉄の痕跡がありますが、たたら製鉄の遺跡は広範囲に及び、製鉄の位置や規模を把握することは容易ではありません。

しかし近年、考古学や地図情報に関わる研究の進展によって、広範囲に及ぶ遺跡を捉えることが可能になってきました。
兵庫県は、2019年(令和元)から高精度DEM(Digital Elevation Model)を公開しています。
これは、ドローンや航空機からレーザーを地表に照射した測量データで、微細な地形の起伏を表現することができます。
さらに、この高精度DEMを用いて作成された「遺跡立体図」では、地形の起伏を立体的に表現するだけでなく、高さのちがいを色で、傾斜の緩急を明暗で表現し、遺跡のかたちをビジュアルに表現できます。

これを用いてたたら製鉄の遺跡周辺の地形を見ると、山の一部が溶けたようになっているところが多く見られます。
播磨の地で続けられていたたたら製鉄は、現在の地形にしっかりとその痕跡を残しています。

拡大図は上下左右にスクロールできます。

高精度DEMを用いて作成された「遺跡立体図」

宍粟市・天児屋地区の遺跡立体図(S=1/20,000)/作成:永恵裕和氏

詳細な地形情報についてはopen-hinata(統合型地理情報システム「ひなたGIS」のオープン版WebGISです)をご覧ください。※PC閲覧推奨

ここまでが本文です。