コレクション

当館に収蔵されている資料群について簡単にご紹介いたします。

入江コレクション(児童文化史資料)

児童文化史資料

大阪の児童文化史研究家、入江正彦氏(1932~2000)が収集した日本の児童文化に関する一大コレクション。江戸時代から現代にいたる子供の玩具、書籍、教育資料などを通覧することができる、日本でも一・二を争う貴重な資料です。

内海敏夫資料(兵庫県内各地の民家・町並み)

兵庫県各地の民家・町並み

たつの市出身の洋画家の内海敏夫氏(1918~2010)が、兵庫県内の民家や町並みを描いた作品。1980~1990年代に描いた水彩画が多く、すでに失われた家屋も多く含まれるため、歴史的な景観を後世に伝える上で重要な資料といえます。

王敬祥文書(神戸華僑社会資料)

神戸華僑社会資料

王敬祥(1871~1922)は、神戸で貿易商を営みながら、神戸華僑同文学校副董事長、中華会館理事長、福建公所理事長などを歴任するなど、20世紀初頭の神戸華僑社会において中心的な役割を果した人物です。
1911年に中国で辛亥革命が起こると、神戸の華僑たちは王敬祥を会長として中華民国僑商統一連合会を結成し、革命を支援しました。このことから、王敬祥宛ての書簡や、中華民国政府、南京臨時政府からの公文書、王敬祥自身が執筆した論文など176点におよびます。

萱嶋コレクション

近代生活文化資料

萱島節三氏(1916~1999)およびご遺族により昭和59年度から3回に渡って寄贈された近代生活文化資料のコレクション。絵葉書・写真類を中心とした、20世紀前半の個人の生活記録です。

喜田文庫(書画・書籍)

書画・書籍

淡路出身の喜田幾久夫氏(1903~2000)から寄贈を受けたコレクション。江戸から明治の学者、俳人、画家等の書画や、古代から近世の古文書等からなります。日本文化に関する多岐にわたる資料で、総数は1万点に及びます。

菅野コレクション(日本・中国および世界の貨幣)

日本・中国および世界の貨幣

故菅野進氏が収集した日本・中国および世界の貨幣のコレクション。特に日本と中国の貨幣は古代から現代に至る貨幣がほぼ網羅されています。

関茂昭コレクション(齋藤畸庵書画)

城崎の画家・齋藤畸庵(さいとうきあん・1805~83)の書画および研究資料287点。長年にわたり畸庵の研究と収集に取り組まれた関茂昭(せきしげてる)氏より、令和4年(2022)にご寄贈いただきました。29歳の若描きの作品から没年である79歳の作品まで、畸庵の画風の変遷をたどることのできる、唯一無二のコレクションです。

高橋秀吉コレクション(姫路を中心とした生活文化資料)

姫路を中心とした生活文化資料

姫路の「市民博士」高橋秀吉氏(1899~1979)が収集したコレクション。収集物は約16万点にもおよび、古写真、絵葉書、古瓦などと多様です。姫路をはじめとした兵庫県内各地の明治から昭和の世相を伝える貴重な資料といえるでしょう。

鳥羽正雄コレクション(城郭関係資料)

遊郭関係資料

城郭研究の第一人者鳥羽正雄博士(1899~1979)の旧蔵資料。内容は近世の軍学書から絵図類、近代の城郭調査資料に至るまで多様な構成であり、日本の城郭を研究する上でも貴重なものです。

橋本政次氏収集資料(姫路藩関係資料)

姫路はん関係資料

姫路の郷土史家橋本政次氏(1886~1973)旧蔵の資料群。名著『姫路城史』の原稿や、姫路城を研究するにあたって収集された姫路藩に関する資料、絵図の青焼きや掛軸などが含まれています。

山口コレクション(出石焼)

出石焼

山口久喜氏(1928~2015)が収集した出石焼のコレクション。現代の出石焼は精巧な白磁が有名ですが、本コレクションは江戸時代の染付の日常生活用品が主力であり、伝世品や窯跡採集品などにより構成されます。

古文書

当館に収蔵されている古文書の一部をご紹介します。

館蔵の中世文書

館蔵の中世文書

購入・寄贈など様々な契機で館蔵品となったもので、原蔵者、地域ともに多様です。単品や、コレクションの一部として受け入れたものが中心となります。一覧表には、やや幅を取って慶長年間(~1615)までのものと、より以降ではあるがそれらと関連する若干の文書を収録しました。

安志藩大庄屋井上家文書

安志藩大庄屋井上家文書

井上家は、佐用郡のうち、現在の上月町域で庄屋・大庄屋を務めた家です。明治初期には戸長などを歴任した後、村長や佐用郡会議員も務めました。文書点数は、総計2,128点にのぼります(近世945点、近代1,183点)。
安志藩領のうち佐用郡11ヶ村の大庄屋を務めていたことから、大庄屋としての職務を記録した「御用帳」が含まれるほか、近代に入ってからの佐用郡会関係の文書があり、近世から近代にかけての地域社会の成り立ちや行政のありようについて知ることのできる文書群です。

丹波国多紀郡福住村野々口家文書

野々口家は、福住村(現丹波篠山市)の庄屋を勤めた家です。文書件数は約3500点で、近世から近代にかけての村方文書が中心となります。
福住村は京街道と若狭街道が交差する交通の要衝で、江戸時代には宿場として本陣や脇本陣が置かれました。このため、駅所の運営や同地の特産品である茶荷物に関する資料なども多く含まれ、丹波地域の交通・流通やその変容について知ることのできる文書群といえます。

淡路国三原郡立川瀬村矢野家文書

矢野家は、立川瀬村(現南あわじ市)の庄屋を勤めた家です。文書点数は、近世文書を中心とする約2,000点。村方文書だけでなく矢野家の家政に関する資料も含まれます。
参勤交代や巡検使の通行の対応、福良街道沿いにある橋の架け替え、神社の運営に関する資料などが多く含まれ、当時、庄屋が担っていた実務や地域における役割の一端が垣間見えます。