この大幅の画面に十界のありさまが描かれる。十界とは地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天、声聞、縁覚、菩薩、仏のことである。画面の中央上部に「心」という文字が配され、そこから赤い10本の線が延び、十界のそれぞれの世界へと結ぶ。この文字を境に画面は大きく上段と下段に分かれる。上段は半円相を描いて人の一生を描き、「心」の文字の周辺に天、声聞、縁覚、菩薩、仏と施餓鬼供養を配し、その下部に地獄、餓鬼、畜生、阿修羅の世界を大きく描いている。「心」の文字を配したこのような絵画を観心十界図と称している。この形式の絵画の研究が始められた頃は、那智参詣曼荼羅と一具で発見されたことから、熊野比丘尼が地獄極楽の絵解きのために用いたと考え、熊野観心十界図と称した。近年は単独で発見される例が多い。 学芸員おすすめ館蔵資料
資料解説
この大幅の画面に十界のありさまが描かれる。十界とは地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天、声聞、縁覚、菩薩、仏のことである。画面の中央上部に「心」という文字が配され、そこから赤い10本の線が延び、十界のそれぞれの世界へと結ぶ。この文字を境に画面は大きく上段と下段に分かれる。上段は半円相を描いて人の一生を描き、「心」の文字の周辺に天、声聞、縁覚、菩薩、仏と施餓鬼供養を配し、その下部に地獄、餓鬼、畜生、阿修羅の世界を大きく描いている。「心」の文字を配したこのような絵画を観心十界図と称している。この形式の絵画の研究が始められた頃は、那智参詣曼荼羅と一具で発見されたことから、熊野比丘尼が地獄極楽の絵解きのために用いたと考え、熊野観心十界図と称した。近年は単独で発見される例が多い。
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