資料名

百鬼夜行絵巻 ひゃっきやぎょうえまき

資料解説

室町時代以降、とりわけ江戸時代には、さまざまな姿の妖怪を描いた「百鬼夜行絵巻(ひゃっきやぎょうえまき)」と題する絵巻が多数制作されている。なかでも有名なのは、土佐光信(みつのぶ)の筆になると伝えられる京都・大徳寺真珠庵(しんじゅあん)所蔵のもの(真珠庵本)であり、同じ絵柄の模本が数多く残されている。百鬼夜行とは、さまざまな姿をした異形(いぎょう)の鬼たちが、真夜中に行列をなして都を徘徊(はいかい)する怪異のことである。平安時代には、夜行日(やぎょうび)とよばれる特定の日にこの百鬼夜行があると信じられ、人々は夜の外出を控(ひか)えたという。真珠庵本系統の「百鬼夜行絵巻」もまた、行列をなす妖怪たちを描いているが、平安時代の百鬼夜行があくまで鬼の行列であったのに対し、描かれた妖怪の多くは、「付喪神(つくもがみ)」ともよばれた器物の妖怪であることが特徴である。もとの器物の形を残しながら、生き生きと画面の中を駆けまわっている妖怪たちの姿に、これらの「百鬼夜行絵巻」の独特のユーモア感覚があるといえる。本作品も、真珠庵本系統の「百鬼夜行絵巻」の一つであるが、前半部には真珠庵本にみられない妖怪も多数描かれている。真珠庵本に比べて動物の妖怪が多いのが特徴で、中には有名な『鳥獣人物戯画』から取られたとおぼしき妖怪の姿も見える。見返しには「鳥羽覚猷僧正戯墨(かくゆうそうじょうぎぼく)」と記されており、もちろん事実としては信ずるに値しないが、これらの「百鬼夜行絵巻」が一種の戯画(ぎが)として享受されていたことを示唆しているともいえよう。

資料データ

資料ID
2815
種類
絵巻
分野
美術
コレクション
時代
江戸時代
年月日
西暦
世紀
数量
1 巻
サイズ
25.5×431.9
材質
文化財指定
使用者・使用地・伝来
作者
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